結論から言えば、1950年に成立したマッカラン法(正式名称:内部安全保障法)は、憲法上の権利を侵害したと広く評価されています。特に、憲法修正第1条が保障する「言論の自由」と「結社の自由」への侵害が深刻な問題として指摘されました。
マッカラン法が違憲だと批判された理由
同法は、米国司法長官が「破壊的」とみなした政治的信条や政治活動に対して規制を加えることを可能にしました。ところが、その判断基準は極めて曖昧で、恣意的な運用を招きやすかったのです。
その結果、具体的な証拠ではなく単なる「疑い」だけを根拠に、多くの人々がブラックリストに載せられ、就職の妨げなど深刻な不利益を被る事態が発生しました。このため、批判者たちは同法を「範囲が広すぎる」「違憲である」と強く非難し、市民的自由への重大な脅威とみなしたのです。
最高裁判所はどう判断したのか?
興味深いことに、最高裁判所はマッカラン法自体の合憲性について、直接的な判断を下すことはありませんでした。しかし、その後に続いた言論・結社の自由に関する一連の裁判の中で、裁判所はこれらの権利に対してより強固な法的保護を確立していきました。
特に重要なのが、次の二つの画期的な判例です。
- NAACP対アラバマ州事件(1958年) — 政府による結社の自由への干渉を制限する重要な先例となりました。
- ブランデンバーグ対オハイオ州事件(1969年) — 政府が言論や表現を正当に制限できる範囲を大幅に狭めた、歴史的な判決です。
これらの判例で確立された法的原則は、結果として、マッカラン法のような曖昧な基準に基づく規制を実質的に困難にし、市民的自由の保護へとつながっていきました。