初期の植民地バージニアでは、投票権はごく一部の人々にしか認められていない、厳しく制限された選挙制度が採用されていました。その中心にあったのが「財産所有」による資格要件です。
投票権を得るための条件
投票を許されたのは、自由な白人男性であり、かつ一定規模以上の財産(主に土地)を所有している入植者のみでした。女性、奴隷、年季奉公人、そして貧しい白人男性は、たとえ成人していても投票権を持つことができませんでした。
財産要件の変遷
投票に必要な財産の額は時代とともに変化しましたが、いずれの時代においても要求される水準は高く、容易に満たせるものではありませんでした。そのため、人口の大部分が政治プロセスから排除されたままとなっていたのです。
歴史的背景:バージニア下院議会の誕生
1619年に設立されたバージニア下院議会(House of Burgesses)は、北米初となる選挙で選ばれる立法機関でした。この「民主主義の芽生え」と称される制度が存在した一方で、実際に政治に参加できたのは、土地を所有する富裕な白人男性、すなわちプランター階級のごく一部にとどまりました。
その後の展開
こうした制限的な選挙制度は独立後もしばらく続きましたが、19世紀に入ると次第に緩和され、財産要件の撤廃などを通じて、より幅広い層へと選挙権が拡大していきました。初期バージニアの投票権の歴史は、アメリカにおける民主主義の発展と、その限界を知る上で重要な事例といえます。