結論から言うと、いいえ。第二次世界大戦中、アメリカ経済は崩壊するどころか、歴史に残る大きな成長を遂げました。
なぜアメリカ経済は成長したのか
軍需による生産の急拡大
第二次世界大戦が始まると、アメリカでは航空機・艦船・戦車・弾薬などの軍事装備の生産が飛躍的に増加しました。工場は24時間体制で稼働し、自動車メーカーが兵器生産に転換するなど、産業全体が戦争経済へと切り替わったことで、国内総生産(GDP)は戦前の約2倍にまで拡大したとされています。
連合国からの旺盛な需要
1941年に成立したレンドリース法(武器貸与法)により、アメリカはイギリスやソ連などの連合国へ大量の物資・兵器を供給しました。これらの輸出需要が製造業をさらに押し上げ、アメリカは「民主主義国家の兵器庫」としての役割を果たしながら、莫大な利益を得ることになりました。
雇用の劇的な改善
大恐慌で約15%に達していた失業率は、戦時中には2%前後まで低下しました。また、男性労働力が兵役に就いたことを受け、女性が工場などで積極的に働くようになり、「ロージー・ザ・リベッター」と呼ばれる女性労働者が社会進出の象徴となりました。
戦後のアメリカ経済への影響
戦争が終わっても、この経済的躍進は止まりませんでした。本土にほとんど戦禍を受けなかったアメリカは、戦後世界で圧倒的な経済力を持つ超大国となり、ブレトンウッズ体制の下で米ドルは基軸通貨の地位を確立します。こうして第二次世界大戦は、結果としてアメリカを世界最大の経済大国へと押し上げる転機となったのです。