ジョージ・アームストロング・カスターは本当に「将軍」だったのか?
ジョージ・アームストロング・カスター(George Armstrong Custer、1839年〜1876年)は、アメリカ合衆国陸軍の騎兵指揮官です。南北戦争およびその後のインディアン戦争への参戦によって広く名を知られるようになりました。「カスター将軍」と呼ばれることも多い彼ですが、実際の階級については少し複雑な経緯があります。
任官から名誉少将へ
カスターは1861年6月2日に騎兵少尉として任官しました。南北戦争中は目覚ましい活躍により昇進を重ね、志願兵の准将を経て、1865年3月13日には志願兵の名誉少将(Brevet Major General of Volunteers)の階級に達しています。なお、この「名誉昇進(brevet)」とは、当時のアメリカ軍において正式な階級ではなく、戦功を称えるために与えられる名誉的な階級のことを指します。
正規軍では将官になれなかった
しかし重要なのは、カスターが正規軍(regular army)において将官の階級に達することはなかったという点です。南北戦争終結後、彼は志願兵の階級を失い、正規軍では大尉、その後新編成された第7騎兵連隊の中佐として勤務しました。
つまり、「カスター将軍」という呼び名は、主に南北戦争中の志願兵における将官経験や名誉階級に由来するものであり、正規軍の将軍ではなかったのです。1876年のリトルビッグホーンの戦いで戦死したときも、彼の正式な階級は中佐でした。通称と実際の階級の間にあるこのギャップこそが、「カスターは将軍だったのか?」という問いの答えといえるでしょう。