南アメリカの歴史

ベトナム戦争で議会名誉勲章を受章したヒスパニック系兵士は何人?誤った数字の真相を解説

ベトナム戦争におけるヒスパニック系受章者の実際の人数

「ベトナム戦争中の功績により、13人のヒスパニック系米国人が議会名誉勲章を受章した」という話を耳にすることがあります。しかしこの数字は正確ではありません。実際には、ベトナム戦争全体で授与された名誉勲章はおよそ260件に上り、そのうちヒスパニック系(ラティーノ系)米国人の受章者は約19人とされています。

また、「249人が受章した」という記述を目にすることもありますが、これも明らかな誤りです。249人というのは、当時の全受章者の大部分に相当する数であり、ヒスパニック系だけの数字として成立しません。

名誉勲章(Medal of Honor)とは

名誉勲章は、アメリカ合衆国が授与する軍事褒賞の中で最も高い栄誉とされる勲章です。合衆国議会の名において大統領が授与することから、「議会名誉勲章(Congressional Medal of Honor)」とも呼ばれます。敵との戦闘において、並外れた勇気と自己犠牲の精神を示した軍人にのみ贈られる、極めて権威ある勲章です。

主なヒスパニック系受章者

ベトナム戦争で名誉勲章を受けたヒスパニック系兵士には、次のような人物がいます。

  • ロイ・P・ベナビデス(Roy P. Benavidez):重傷を負いながらも仲間の救出に奔走した陸軍特務曹長。1981年にレーガン大統領から勲章を授与されました。
  • アルフレド・V・ラスコン(Alfredo V. Rascon):激しい砲火の中、負傷した仲間を守るために身を挺した衛生兵。2000年に遡って受章しました。
  • ミゲル・キース(Miguel Keith):圧倒的に不利な状況で部隊を率いて戦い、戦死後に勲章を追贈されました。
  • ユリピデス・ルビオ(Eurípides Rubio):敵の手榴弾を投げ返すなどして部隊を守り、戦死後に追贈されました。
  • エクトル・サンティアゴ・コローン(Héctor Santiago-Colón):味方をかばうため、自らの身体で爆風を抑えて殉職し、追贈されました。

このほかにも、カルロス・ロサダ、ヘスス・ドゥラン、カンデラリオ・ガルシア、ホセ・F・ヒメネス、エミリオ・デ・ラ・ガルサなど、数多くのヒスパニック系兵士が卓越した武勇を称えられています。

まとめ

ベトナム戦争でヒスパニック系米国人が名誉勲章を受けたのは13人でも、249人でもなく、約19人です。彼らの勇敢な行為は今日でもアメリカ軍の歴史の中で高く評価されており、その功績は基地や艦船、各種施設の名称などに刻まれ、後世に語り継がれています。