ヨーロッパの歴史

もし中世だったら、あなたは医者に行けますか? 恐ろしい治療法の数々

病院や診療所の独特の匂いがどうも苦手で、医者に行くだけで気力を奪われる——そんな経験はありませんか?筆者自身もその一人です。もっとも、これは些細な悩みに過ぎません。中世にタイムスリップしてみれば、当時の患者たちが感じていた恐怖がいかに理にかなっていたかがわかるはずです。麻酔も衛生概念もない時代、人々は一体どのような治療を受けていたのでしょうか。

痔(浣腸バージョン)

中世の医師たちは、痔の治療に浣腸を用いていました。金属や動物の膀胱などで作られた器具を使い、薬液を注入します。当時主流だった「四体液説」に基づき、体の中の悪いものを排出することが治療の基本とされていたのです。

痔(赤熱した鉄で焼くバージョン)

浣腸で済めばまだ良い方です。症状が重い場合、医師は赤熱させた鉄の器具を患部に押し当て、焼灼(しょうしゃく)するという荒療治に出ました。もちろん麻酔はありません。その激痛は想像に難くありません。

白内障

白内障の治療は「クリンチング」と呼ばれる手法で行われました。針のような器具を目に差し込み、濁った水晶体を眼球の奥へ押し込むというものです。失明のリスクが非常に高く、感染症で命を落とす患者も少なくありませんでした。

精神疾患(問題の核心を直撃)

「気が狂っている」とされた患者への治療は、さらに過酷でした。頭蓋骨に穴を開ける「穿頭術(トレパネーション)」は、悪い空気や体液を頭の外へ逃がすために行われたとされます。生きた人間の頭にドリルを立てるのですから、恐怖もひとしおだったでしょう。

瀉血(万能の治療法)

中世医学の柱といえば「瀉血(しゃけつ)」です。頭痛から熱病まで、ほとんどすべての病気は「血液が多すぎる」ことが原因とされ、ヒルや刃物で血を抜くことが治療の第一歩でした。結果として患者を弱らせ、命を縮めることも珍しくありませんでした。

排尿障害(膀胱の閉塞)

膀胱の詰まりには、金属製のカテーテルが用いられました。麻酔なしで尿道に金属の管を差し込むのです。痛みは言うまでもなく、組織を傷つける危険も常に伴いました。

帝王切開

帝王切開は、母親が死亡するか死に瀕している場合にのみ行われるのが一般的でした。生存中の母親に施すことは、ほぼ確実に致命的だったからです。衛生管理も麻酔もない時代、この手術は母と子の両方にとって命懸けの試みでした。

もし中世だったら、あなたは医者に行けますか? 恐ろしい治療法の数々

歯医者

中世の歯科治療といえば、抜歯一辺倒でした。理髪師が「歯抜き師」を兼ねることが多く、ペンチのような道具で歯を引き抜いています。麻酔はもちろん、鎮痛剤すらほぼ存在せず、患者が数人に押さえつけられながら治療を受けることもあったといいます。

切断手術

壊疽や外傷の悪化を防ぐための切断術は、のこぎりで一気に切り落とすのが基本でした。止血は、切断面を熱した油や焼灼鉄で焼き固めることで行われます。失神するか、ショックで命を落とすかは、まさに運次第だったのです。

手術室

当時の「手術室」は、清潔とは程遠い環境でした。消毒の概念はなく、器具は使い回し。手術台はただの板切れか理髪店の椅子。それでも、当時の人々にとってはそれが「最先端医療」だったのです。

もし中世だったら、あなたは医者に行けますか? 恐ろしい治療法の数々

中世において、医者への恐怖が正当化されていたのは、間違いありませんね。