ヨーロッパの歴史

古代ギリシアの謎:2000年前の沈没船から見つかった驚異の計算機械

沈没船から蘇った古代の驚異

約2000年前に海に沈んだ古代ギリシアの船から発見された、たった一つの遺物が、ヘレニズム時代の技術に対する現代の常識を大きく覆す可能性を秘めています。この遺物は、古代ギリシア人が複雑な計算を行う精巧な機械装置を、実際に製造し操作できていたことを示す決定的な証拠とされているのです。

X線が明かした30以上の歯車

この装置の断片をX線で調査したアメリカの研究者デレク・デ・ソラ・プライス(Derek de Solla Price)は、30個以上もの歯車が緻密に組み合わさっている様子を確認しました。その構造の精巧さから、彼はこの装置が「太陽と月の運行を調査し解き明かすためのものであり、おそらくは惑星の運行をも追跡するために使われていた」と結論付けました。

アンティキティラ島の機械とは

この遺物こそ、後に「アンティキティラ島の機械」と呼ばれることになる古代の天体計算機です。20世紀初頭にアンティキティラ島沖の難破船から引き上げられた青銅器の断片は、当初こそその価値がほとんど理解されませんでしたが、研究が進むにつれ、古代世界における最高峰のアナログ計算機であることが判明しました。

歯車の配置や表面に刻まれた文字の解析によれば、この装置は日食や月食の予測はもとより、オリンピックをはじめとする古代ギリシアの祭典の暦まで計算できたと考えられています。2000年以上も前にここまで高度な技術が存在したという事実は、科学技術史上最大級の謎の一つとして、今なお世界中の研究者を魅了し続けています。