ヨーロッパの歴史

「シャーマンネクタイ」とは?南北戦争の鉄道破壊術が終戦を左右した理由

シャーマンネクタイ(Sherman's neckties)とは、アメリカ南北戦争中に北軍(ユニオン軍)が用いた鉄道破壊の手法を指す言葉です。南軍の補給線を断つために実行されたこの戦術は、指揮官ウィリアム・T・シャーマン将軍の名前にちなんで呼ばれるようになりました。

シャーマンネクタイの具体的な手法

北軍の兵士たちは、占領した鉄道の枕木を積み上げて燃やし、その炎の中でレールを加熱しました。そして赤熱して柔らかくなったレールを中央付近で折り曲げ、近くの木の幹に巻き付けたり、ねじり上げたりすることで、二度と使えない状態に変えたのです。ねじれて垂れ下がるレールの形状がネクタイのように見えたことから、この独特な名称が生まれたといわれています。

なぜこの戦術が効果的だったのか

当時の南軍にとって、鉄道は兵員や武器、食糧を前線へ運ぶ生命線でした。単にレールを引き抜いて脇に捨てるだけなら、数日で復旧できることもありました。しかし、木に固く絡みついたレールは撤去に重機材と大規模な人手が必要となり、戦時中の南軍には事実上修復が不可能でした。

戦争終結への影響

1864年、シャーマン将軍は「海への進軍(マーチ・トゥ・ザ・シー)」として知られる作戦において、アトランタからサバンナへ向かう途上でこの手法を大規模に実行しました。ジョージア州の鉄道網が壊滅的な打撃を受けた結果、南軍の補給能力は著しく低下し、南部経済の疲弊と戦争の早期終結につながったと評価されています。

名称に関する補足

「シャーマンネクタイ」という呼び名は、シャーマン将軍が公式に発令した命令として記録に残っているわけではなく、実行した兵士たちの間で広まった俗称と考えられています。地域によっては「シャーマンのヘアピン」や「ボウタイ」と呼ばれることもありました。