エルナン・コルテスによるメキシコ(アステカ帝国)の征服、そしてフランシスコ・ピサロによるペルー(インカ帝国)の征服は、世界史上きわめて重要な出来事でした。しかし、これらの征服が合衆国の歴史に直接影響を与えたわけではありません。両者の遠征はいずれも16世紀に行われたものであり、アメリカ合衆国が国家として成立するよりもはるかに前の出来事だからです。
ヨーロッパの探検と植民地化がもたらしたもの
アステカ帝国やインカ帝国の征服を含む、ヨーロッパ諸国によるアメリカ大陸の探検と植民地化は、先住民の人口や社会に壊滅的な影響を及ぼす一方で、ヨーロッパ列強の帝国形成にも深く関わっていました。スペインが中南米で覇権を確立していた時期、現在のアメリカ合衆国にあたる地域は、まだこの歴史の中心には位置していなかったのです。
ジェームズタウン建設――それから1世紀以上後のこと
北米における最初の恒久的なイギリス人入植地であるジェームズタウンが建設されたのは1607年です。これはコルテスやピサロの征服から実に1世紀以上が経過した後でした。アメリカ合衆国としての歴史は、主にイギリスをはじめとするヨーロッパ列強による北米東海岸への植民と開拓から本格的に始まったといえます。
まとめ
つまり、コルテスとピサロの征服は、スペインによる中南米支配の出発点となった歴史的転換点ではあるものの、アメリカ合衆国の成立や発展への直接的な影響は限定的でした。とはいえ、ヨーロッパ勢力のアメリカ大陸進出という大きな流れの中で見れば、これらの征服は後の北米植民地化へと続く重要な先駆けであったとも評価できるでしょう。