ヨーロッパの歴史

1348年、ベネチアを襲ったペスト(黒死病)の大流行:約8万人が死亡した悲劇

水都ベネチアに到達した黒死病

14世紀半ば、ヨーロッパ全土を震撼させた「黒死病」として知られるペストの大流行は、1348年にイタリアの水都ベネチア(ヴェネツィア)にも到達しました。東方貿易の玄関口として栄えていた港湾都市であるベネチアは、疫病が持ち込まれやすい環境にあり、甚大な被害を受けることとなりました。

市の人口の約3分の1が犠牲に

この疫病の流行により、当時のベネチアでは市の人口のおよそ3分の1が死亡したと推定されています。これは約8万人に相当する膨大な数であり、都市の歴史において最も深刻な悲劇の一つとして記録されています。

人命と社会経済への深刻な打撃

ペストの流行がもたらした損失は、失われた多くの人命にとどまりませんでした。貿易都市として繁栄していたベネチアでは、労働力の大量喪失や商業活動の停滞など、社会経済活動全体に壊滅的な影響が及びました。その影響は長期にわたって続き、都市の復興には長い歳月を要したと考えられています。