フランスとイギリス(グレートブリテン)は、歴史上何度も戦火を交えてきた隣国同士です。海峡を挟んでわずか数十キロしか離れていないこの二つの大国は、中世から近代にかけて長い対立の時代を経験してきました。
フランスとイギリスが戦争に至った主な理由
王位継承と領土をめぐる争い
両国の対立の起源は、1337年から1453年まで続いた「百年戦争」にまで遡ります。イングランド王家がフランス王位を主張したことが発端となり、以降、両国は領土や王位継承をめぐって幾度も衝突することになりました。
植民地と海上覇権をめぐる競争
大航海時代以降、ヨーロッパ各国が世界中で植民地獲得競争を繰り広げると、フランスとイギリスの対立は新たな段階へと進みました。北米大陸やインドなどでの覇権争いは、「七年戦争」(1756年〜1763年)などの大規模な戦争へと発展し、最終的にイギリスが海洋帝国としての優位を確立しました。
ナポレオン戦争
18世紀末から19世紀初頭には、ナポレオン・ボナパルト率いるフランスがヨーロッパ征服を目指し、イギリスを中心とする諸国との間でナポレオン戦争が勃発しました。1815年のワーテルローの戦いでナポレオンが敗北するまで、両国は断続的に激しく戦い続けました。
最後の戦争は第二次世界大戦
フランスとイギリスが直接武力衝突した最後の例は、第二次世界大戦期の出来事とされています。1940年には、ドイツに占領されたフランス艦隊が枢軸側に渡ることを防ぐため、イギリスがフランス艦隊を攻撃するという悲劇的な事件(メルセルケビール海戦)も発生しました。
現在の両国は緊密な同盟関係へ
第二次世界大戦以降、両国が互いに戦争を起こすことは一度もありません。冷戦期には共にNATO(北大西洋条約機構)の加盟国として西側陣営の中核を担い、今日ではEU離脱を経たイギリスとの間にも、防衛・経済・文化の各分野で緊密な協力関係が築かれています。
かつて「宿命のライバル」と呼ばれた二国ですが、共通の価値観と安全保障上の利益を背景に、今や世界有数の同盟国として歩んでいるのです。