紀元前400年のローマに「皇帝」はいなかった
紀元前400年の時点で、ローマには皇帝は存在しませんでした。この時代のローマは共和政ローマ(ローマ共和国)と呼ばれる体制下にあり、一人の君主が権力を握る統治形態ではなかったのです。
共和政ローマの統治体制
当時のローマは、毎年選出される二人のコンスル(執政官)によって統治されていました。コンスルは市民による選挙で選ばれ、任期はわずか1年。互いに相手の決定を拒否する権限(拒否権)を持っていたため、特定の個人への権力集中が防がれていました。
また、コンスル以外にも、国政の重要な意思決定を行う元老院や、平民の権利を守る護民官など、複数の機関が政治に関与しており、権力が分散された仕組みが特徴でした。
皇帝が誕生したのはその後
ローマに初めて「皇帝」と呼べる存在が現れたのは、紀元前27年にアウグストゥス(オクタウィアヌス)が事実上の最高権力者となってからのことです。これにより共和政から帝政へと移行し、ローマ帝国の時代が始まりました。
つまり、紀元前400年は共和政ローマの初期にあたり、王政が廃止されてから約100年ほどしか経っていない時期でした。この時代のローマは、まさに「市民が政治を担う共和国」として歩み始めたばかりだったのです。