ヨーロッパの歴史

アメリカ政府に影響を与えたヨーロッパの歴史的文書とは?マグナ・カルタの遺産

マグナ・カルタ(大憲章、1215年)

マグナ・カルタ(Magna Carta/大憲章)は、イングランド王ジョンに対して反旗を翻した諸侯(バロン)たちの要求に応える形で、カンタベリー大司教によって起草されたイングランドの憲章です。ラテン語で記され、1215年、ジョン王の治世中に発布されました。

この憲章の最大の意義は、「王といえども法の支配に服する」という理念を初めて明文化した点にあります。それまで絶対的だった王権に法的な制限を設けたことで、マグナ・カルタは立憲政体や君主権限の制限へと向かう歴史における最初の一歩となりました。

マグナ・カルタの主な条項

  • 諸侯の同意なしに、王が新たな税を課すことはできない
  • 公正な裁判なしに、誰かを投獄したり処罰したりしてはならない
  • 王がマグナ・カルタに違反した場合、諸侯には王に反抗する権利がある

その後の歴史とアメリカへの影響

マグナ・カルタは当初、完全な成功を収めたわけではありませんでした。ジョン王はまもなく憲章を無視し、その内容が完全に実施されるまでには、ヘンリー3世の治世を待たなければなりませんでした。

しかしながら、マグナ・カルタがイギリス法およびアメリカ法の発展に与えた影響は計り知れません。この憲章は適正手続(due process)の原則を確立し、君主の権限を制限する先例となりました。さらに、500年以上後に起草されたアメリカ合衆国憲法にとっても重要なモデルとなり、現代の民主主義と法治主義の礎として今なお高く評価されています。