強制収容が成功しえなかった背景
北アイルランドにおける強制収容(インターメント)政策が成功する可能性は、導入の時点でほとんどありませんでした。その最大の要因は、この政策が「不正義」であると同時に「非効率」でもあるという、二重の欠陥を抱えていたことにあります。
不正義を生んだ政策設計
強制収容は、正式な容疑も裁判も経ずに、人々を恣意的に逮捕・拘束することを許す仕組みでした。これは基本的人権と法の支配という民主社会の根幹をなす原則に明確に反するものであり、多くの市民の信頼を深く裏切る結果となりました。
紛争の根本原因を無視した対応
さらに深刻な問題は、この政策が北アイルランド紛争の根本的な原因にまったく対処していなかった点です。暴力の水準を抑えるどころか、むしろ地域社会の緊張を一層激化させ、平和的解決への道をいっそう遠ざけてしまいました。
つまり強制収容とは、正義の観点からも実効性の観点からも破綻していた政策であり、その失敗は最初から不可避だったと言えるのです。