「1763年のパリ条約の条件に基づいてカナダを完全に支配した国はどこか」という問いに対しては、まず前提を正確に理解しておく必要があります。厳密に言えば、この条約によって特定の国がカナダを「完全に」支配することになったわけではありません。しかし、条約の結果としてカナダの支配権はフランスからグレートブリテン(イギリス)へ移譲されたというのが歴史的事実です。
パリ条約(1763年)とは何か
1763年に調印されたパリ条約は、1756年から1763年にかけて戦われた七年戦争(北米では「フレンチ・インディアン戦争」とも呼ばれます)の講和条約です。イギリス、フランス、スペインなどの列強国の間で締結され、北米大陸における勢力図を大きく塗り替えることになりました。
フランスからイギリスへの領土割譲
条約の主要な条件の一つとして、フランスは北米に保有していた広大な植民地、すなわちヌーベルフランス(新フランス)——現在のカナダ東部にあたるケベックやモントリオールなどを含む地域——をイギリスに割譲しました。これにより、それまでフランス領であったカナダはイギリス領カナダとして再編されることになります。
この出来事の歴史的意義
パリ条約による主権の移譲は、後のカナダの国家形成に決定的な影響を与えました。イギリスの統治下で英語圏の制度が導入される一方、フランス系住民の言語や文化も一定の保護を受け、今日のカナダにおける英語・フランス語二言語文化の基盤が形作られていきました。
まとめると、「カナダを完全に支配した国」という問いかけ自体は厳密さを欠くものの、1763年のパリ条約によってカナダの支配権をフランスから引き継いだのはイギリスである、というのが正確な答えとなります。