古代の歴史

第二次世界大戦中のカミカゼ鳩――ハトがミサイルを誘導した「プロジェクト・ピジョン」とは

戦争で動物が活躍したり犠牲になったりしたエピソードは数多くあります。ポーランド軍に従軍したクマ「ヴォイテク」のように心温まる結末の話もあれば、爆弾として利用された動物のように悲惨な話もあります。しかし、今回ご紹介するのは、そのどちらともつかない悲喜劇的な物語です。

第二次世界大戦中のカミカゼ鳩――ハトがミサイルを誘導した「プロジェクト・ピジョン」とは

ハトがミサイルを導く「プロジェクト・ピジョン」

1944年、「プロジェクト・ピジョン(Project Pigeon/鳩計画)」と呼ばれる計画が立ち上がりました。その内容とは、ミサイルの中にハトを収め、標的までの誘導をハト自身に行わせるというもの。一見すると信じがたい発想ですが、この計画を考案したのは陰謀論者でも何でもなく、アメリカの心理学者バーラス・F・スキナー(B.F. Skinner)です。彼は行動主義心理学の実験的研究を確立した、20世紀を代表する学者の一人として知られています。

第二次世界大戦中のカミカゼ鳩――ハトがミサイルを誘導した「プロジェクト・ピジョン」とは

その仕組みはどうなっていたのか

スキナーは、刺激に応じて特定の映像をついばむよう、複数のハトを訓練しました。ミサイルの先端部にはレンズ付きの区画が3つ設けられ、それぞれがミサイルの飛行制御装置に接続されています。各区画に1羽ずつのハトが収められ、目標が視界に現れると、ハトは目標が映し出されている位置――左、中央、右――に応じて、レンズ上の該当する部分をついばみます。そして、どの部分がついばまれたかによって、ミサイルは左旋回、直進、右旋回のいずれかのコースを選択し、目標に到達するまで飛行を続けるという仕組みでした。

この一風変わった計画には、アメリカ国防研究委員会(NDRC)も乗り気だったようで、研究費として25,000ドルが拠出されています。訓練自体はある程度の成果を挙げていましたが、1944年10月8日、プロジェクトはついに中止となりました。

当時のアメリカ人にとっても、この計画はあまりにも「奇抜」すぎたようです。

出典・画像:io9、PSYBlog、国立アメリカ歴史博物館(National Museum of American History)