農業革命が生活様式を変える(紀元前6000年頃・ギリシャ)
紀元前6000年頃の中東では、定住生活と穀物栽培をいち早く実現した農民たちが、羊、山羊、牛といった多様な家畜の飼育を始めていました。彼らは肥沃な土地と良質な牧草地を求め、アナトリア(現在のトルコ)を経由してバルカン半島へと移住していきました。この大きな人口移動は、農耕文化がヨーロッパ全土へと広がっていく重要なきっかけとなりました。
遊動する狩猟採集民
彼らの祖先にあたるのは、狩猟と植物性の食料に頼って暮らす遊動的な狩猟採集民でした。彼らは季節の巡りに合わせて野生動物の群れを追いながら移動し、道中で見つけた野生の穀物を収穫して生活していました。
やがて一部の人々は、水と土壌に恵まれた肥沃な地域に定住するようになります。そして長い歳月をかけて、自らの手で穀物を栽培する技術を習得していきました。土地を開墾し、種をまき、成長を見守り、収穫する――これこそが農耕の始まりです。
当時はまだ利用できる土地が豊富にあったため、人々は一つの土地を耕し続け、土壌の養分が使い果たされると、新たな土地へと移っていくという方法を採っていました。
先史時代
文字による記録が存在しないこの時代は「先史時代」と呼ばれます。農業革命(新石器革命)は、人類が狩猟採集から農耕と牧畜による生産経済へと移行した、歴史上最も重要な転換点の一つです。定住生活と安定した食糧供給は人口増加をもたらし、やがて村落や都市、さらには文明の誕生への道を開くことになりました。