古代の歴史

フランスの名軽戦車AMX-13――性能スペックと多彩な派生型を徹底解説

AMX-13とは

AMX-13は、第二次世界大戦直後のフランス陸軍の要求に応えて開発された軽戦車です。当時のフランスは植民地への展開を想定し、コルモラン(Cormoran)輸送機による空輸が可能な軽戦車を求めていました。コルモラン計画そのものは後に中止されましたが、この戦車は量産化され、フランス史上最大級の武器輸出成功の一つとなりました。

フランスの名軽戦車AMX-13――性能スペックと多彩な派生型を徹底解説

1951年に制式採用されたAMX-13は、装甲こそ薄いものの、優れた機動性・行動範囲、そして何よりも強力な火力を備えていました。わずか約13トンの車体に75mm砲を搭載しており、これは約45トンあったドイツのパンター戦車と同じ口径です。

基本諸元

種類:軽戦車
乗員:3名
武装:75mm砲×1、同軸機銃7.5mmまたは7.62mm×1、砲塔両側に発煙弾発射筒各2基
装甲厚:10〜40mm

寸法および重量

全長(砲身前方時):6.36m
車体長:4.88m
全幅:2.50m
全高:2.30m
戦闘重量:15t
接地圧:0.76kg/cm²
エンジン:SOFAM 8Gxb 水冷ガソリン8気筒、3,200rpmで250馬力

走行性能

路上最高速度:60km/h
航続距離:約350km
垂直障害通過能力:0.65m
越壕幅:1.6m
登坂能力:60%

採用国と配備

AMX-13は1953年から1954年にかけてフランス陸軍に導入されました。また、アルジェリア、サウジアラビア、アルゼンチン、チリ、コートジボワール、エルサルバドル、エクアドル、インド、インドネシア、ケニア、レバノン、モロッコ、ネパール、オランダ、ペルー、ドミニカ共和国、シンガポール、スイス、チュニジア、ベネズエラなど、世界中の国々で採用されました。一方、オーストリア、カンボジア、エジプト、イスラエルでは段階的に退役が進みました。

フランスの名軽戦車AMX-13――性能スペックと多彩な派生型を徹底解説

AMX-13ファミリーの誕生

AMX-13/75と、対戦車ミサイルを装備したAMX-13/SS.11は、駆逐戦車連隊のアメリカ製M10駆逐戦車を置き換え、その後機械化連隊にも配備されていきました。

1967年からは90mm CN 90 F3砲への換装による近代化改修が施され、AMX-13/90へと発展しました。ただし、ミサイル搭載型のAMX-13/SS.11は75mm砲仕様のまま現役を終えています。さらに1963年からは、105mm砲を搭載した輸出向けモデルの製造も開始されました。

実戦参加

AMX-13軽戦車は三度の実戦に投入されています。1956年のシナイ作戦(スエズ危機)、1965年にインド軍がパキスタンとの紛争で使用した例、そして1967年の第三次中東戦争においてイスラエル側で運用された例です。

多彩な派生型たち

AMX-13の車台をベースとして、充実した派生型ファミリーが開発されました。中でも代表的なのが、13名の兵員を輸送できる装軌式装甲兵員輸送車「VTT M56」です。1960年、在役していた数千両に上るアメリカ製ハーフトラックの後継として発注され、当初は7.5mm機関銃を備えた小型防盾を搭載し、のちに12.7mm機関銃を装備するキューポラへと更新されました。

現役のVTTには、20mm機関砲を備えた単座式T 20-13キューポラが搭載されるようになりました。また、Ratac(野戦砲兵観測指揮)型、P.C.(指揮通信)型、衛生(救急)型といったバリエーションも存在します。

砲兵部隊では、1958年に105mm自走榴弾砲が就役し、軍団直属の砲兵連隊に配備されました。続く1968年には155mm自走榴弾砲F3が登場し、現在は機甲師団の砲兵連隊で運用されています。

そのほかにも、AMX-13の車台を用いた特殊用途型として、M55装甲回収車、工兵戦闘車(V.C.G.)F1、架橋車F1、30mm連装対空自走砲などが登場しています。

後継車両への更新

この多産なファミリーの更新作業はすでに始まっていますが、完了までには長い歳月が必要です。より重い車台を必要とする任務ではAMX-30とその派生型が役割を引き継ぎ、機械化連隊ではAMX-13/90が順次AMX-30戦車に置き換えられています。

砲兵部門では、AMX-30の車台を採用した自走榴弾砲Au F1(旧称155mm GCT)が、155mm F3自走榴弾砲および105mm自走榴弾砲の後継となります。工兵部門では、V.C.G. F1がAMX-30 E.B.G.によって更新されます。13トンのVTT M56はAMX-10 Pおよびその指揮型に道を譲り、M55装甲回収車は連隊ごとにAMX-30 D回収車またはVAB-Echelon(整備支援車)へ、衛生型も同様にVAB-Sanitaire(衛生車)へと置き換えられます。そして架橋車F1は、自走式支援橋P.A.A.の導入により退役しました。

こうして、AMX-13一族の後を継ぐためには、3種類の異なる装甲車両が必要となったのです。最重量級の任務にはAMX-30、装軌式車両にはAMX-10 P、そして一部の特殊用途型には、AMX-10 Pよりも経済的な車輪式のVABが充てられています。

現在もなおAMX-30およびAMX-10 Pへの更新は完了しておらず、依然として多くの機械化連隊がAMX-13を使用しています。さらに、VABは歩兵師団への納入が優先されているため、整備支援型や衛生型は戦車連隊にはまだ行き渡っていません。そのため、AMX-13ファミリーは今後数年間も現役であり続けることでしょう。