VMF-214「黒い羊」中隊とは
アメリカ海兵隊第214攻撃飛行隊(VMA-214)は、現在AV-8BハリアーIIを運用する精鋭部隊です。その愛称「ブラックシープ(黒い羊)」は、第二次世界大戦中の指揮官グレゴリー・“ペイピー”・ボイントン大佐の時代に由来します。当初は「バァ・バァ・ブラックシープ」と呼ばれていましたが、時代とともに「ブラックシープ」という名称へと定着していきました。

1970年代には、この部隊の武勇伝を描いたテレビシリーズが放送され、彼らの活躍は不朽のものとなりました。
創設と初期の歴史
部隊は第二次世界大戦中の1942年7月1日、VMF-214(Fは戦闘機「fighter」の意)としてハワイ・オアフ島で創設されました。当初はF4Fワイルドキャットを装備し、パイロットたちは二度の作戦期間を経験した後、エスピリトゥサント島へ移駐してアメリカ海軍の指揮下に入りました。
ペイピー・ボイントンと「寄せ集め」部隊
1943年、フライングタイガースを離れたグレゴリー・ボイントン少佐は海兵隊に配属されます。そこで彼は27名のパイロットを集めました。その多くは、F4Uコルセアの操縦資格の取得に失敗した者、あるいは上官への態度を理由に管理業務へ回されていた者たちという、いわば「はみ出し者」の集団でした。
当時、太平洋方面の戦闘は絶え間なく新しいパイロットを必要としており、ソロモン諸島ブーゲンヴィル島攻略作戦への備えが急務となっていました。こうした状況の中、ボイントンはほぼ不可能とも言える任務を課せられます。それは、この27名をわずか3か月足らずでコルセアに習熟させることでした。そして彼は、一時的にVMF-214の指揮を執ることとなったのです。
しかし、中隊が示した驚異的な結果を目の当たりにした上層部は、ボイントンにそのままVMF-214の指揮を委ね続けました。彼は幕僚会議にも積極的に参加し、独自の新戦術を部隊に導入していきました。
輝かしい戦果
VMF-214は日本軍機203機以上を撃破し、そのうち97機は空戦による戦果でした。さらに多数の艦船を撃沈し、何より日本軍の支配地域へ積極的に乗り込み、敵を挑発しながら戦う大胆な戦法によって、その名を広く轟かせました。
これら一連の功績により、VMF-214はアメリカ軍部隊にとって最高栄誉の一つである大統領部隊感賞(Presidential Unit Citation)を授与されました。
現在も第214飛行隊は存続しており、VMA-214(Aは攻撃「attack」の意)としてAV-8BハリアーIIを運用し続けています。
参加した作戦・戦争
- 第二次世界大戦
- ベトナム戦争
- 湾岸戦争
- 不朽の自由作戦(アフガニスタン)
- イラク戦争
歴代の搭載機
- F4F ワイルドキャット(創設時)
- F4U コルセア(第二次世界大戦~朝鮮戦争初期)
- F9F パンサー
- F2H バンシー(朝鮮戦争後期)
- FJ-1 フューリー
- A-4 スカイホーク
- AV-8 ハリアーII