マフラ・スルタン国(正式名称:キシュンおよびソコトラのマフラ・スルタン国)は、かつてアラビア半島南部、現在のイエメン東部に存在した半独立国家です。インド洋に浮かぶソコトラ島もその領域に含まれていました。
地理と首都
本土側の領土はアラビア海沿岸に広がり、主都はキシュン(Qishn)に置かれていました。ただし、後期のスルタンたちは、ソコトラ島のタムリダ(現在のハディボー)に居住することを好んだと伝えられています。ソコトラ島は固有の動植物が多く生息する「インド洋のガラパゴス」としても知られる、スルタン国にとって重要な領土でした。
イギリス保護下の時代
1886年および1888年、当時のスルタンは条約を締結し、自国をイギリスの保護下に置くことを受け入れました。これによりマフラ・スルタン国は、イギリスの影響圏に組み込まれることになります。そして1967年、イギリスがこの地域から撤退すると、最後のスルタンは退位させられ、長い歴史を持つスルタン国はここに幕を閉じました。
産業と特産品
当地の生産物としては、漁業による魚類や、乳香などの香辛料が挙げられます。乳香は古代以来、アラビア半島南部を代表する交易品であり、マフラ地方もその産地の一つとして栄えました。
まとめ
マフラ・スルタン国は、19世紀末から20世紀半ばにかけてイギリスの保護のもとで存続した、アラビア半島南端部の歴史的政権です。1967年のイギリス撤退とともに消滅しましたが、その領域であったイエメン東部やソコトラ島では、独自の言語であるマフリー語をはじめ、固有の文化が今日まで受け継がれています。