古代の歴史

古代エジプトで奴隷にされたのは誰?主な出自と背景を解説

古代エジプトの奴隷はどこから来たのか

古代エジプトにおいて、奴隷として扱われた人々の大多数は、征服された領土や周辺諸地域の出身者でした。エジプトが軍事遠征や領土拡大を進めるなかで、捕虜となった外国人が奴隷として連れ込まれることが一般的だったのです。

奴隷の主な出身集団

古代エジプトの奴隷となった代表的な民族・集団には、以下のようなものがあります。

  • ヌビア人(Nubians):ナイル川上流、現在のスーダンにあたる南方地域の出身者。エジプトが南へ勢力を拡大する過程で多くが捕虜となりました。
  • リビア人(Libyans):エジプトの西方、リビア砂漠方面から移動してきた遊牧民などの集団です。
  • カナン人(Canaanites):現在のイスラエル・パレスチナ・レバノン一帯にあたるレヴァント地方の出身者。
  • ヒクソス(Hyksos):中間期にナイル川デルタ地域を支配した外来の勢力で、彼らとの戦争の結果、多くの人々が奴隷化されました。

古代エジプトの奴隷制の特徴

なお、古代エジプトの奴隷制は、後世の大西洋三角貿易のような人種に基づく制度とは大きく異なっていました。戦争捕虜や交易を通じて獲得された外国人に加え、負債や刑罰によって一時的に奴隷身分となったエジプト人自身も存在しました。また、奴隷であっても財産を所有したり、結婚したり、一定の条件下で自由を取り戻したりできるケースもあり、身分は必ずしも固定されたものではありませんでした。

このように、古代エジプトの奴隷の多くは、征服活動によって獲得された周辺地域の出身的な人々——ヌビア人、リビア人、カナン人、ヒクソスなど——が中心だったといえます。