古代の歴史

「Il Duce(イル・ドゥーチェ)」の前の「W」は何を意味する?スローガンの由来を解説

ファシズム期のイタリアでは、「W il Duce!(ヴィヴァ・イル・ドゥーチェ!)」というスローガンが広く使われていました。ここで「Il Duce」の前に置かれている「W」は、イタリア語の「Viva(ヴィヴァ=万歳、〜に栄光あれ)」を表す記号です。つまり「W il Duce!」は「Viva il Duce!(ドゥーチェ万歳!)」と同じ意味になります。

「Il Duce」とは何か

「Il Duce」は、1922年から1945年にかけてイタリアを支配した独裁者ベニート・ムッソリーニに与えられた称号です。イタリア語で「指導者」「首領」を意味し、ファシスト党の絶対的リーダーとしての彼を象徴する言葉でした。第二次世界大戦中、イタリアはナチス・ドイツと同盟を結び、ムッソリーニは戦争指導者としての役割も担うことになりました。

なぜ「W」という文字を使うのか

ラテン語やイタリア語などのロマンス諸語には、本来「W」という文字が存在しません。歴史的には「VV」(Vを二つ並べた形)で代用されてきたため、「Viva(万歳)」を簡略的に表す際に「W」が使われる慣習が生まれました。

このため「W il Duce!」は、ムッソリーニへの支持と忠誠を示すスローガンとして、集会やデモ、公式行事などで盛んに掲げられ、叫ばれました。同様の用法は「W la patria!(祖国万歳!)」など、他のフレーズにも見られます。

まとめ

「Il Duce」の前の「W」は英語の「War Leader(戦争指導者)」ではなく、イタリア語の挨拶・賛辞である「Viva(万歳)」を表すものです。「W il Duce!」は「ドゥーチェ万歳!」という意味のスローガンであり、ムッソリーニ政権下のイタリアにおける個人崇拝を今に伝える表現といえます。