古代の歴史

アメリカ大陸の平原へ、最初の馬はどのようにたどり着いたのか?

16世紀、スペインのコンキスタドール(征服者)たちによって、馬はアメリカ大陸の大地へともたらされました。ヨーロッパ人との接触以前、当時のアメリカ大陸には馬は存在していませんでした。

スペイン人がもたらした馬

1493年、クリストファー・コロンブスが2度目の航海で馬を西インド諸島に持ち込んだのが始まりとされています。その後、1519年にはエルナン・コルテスがメキシコ遠征の際に馬を率いて上陸し、以降、スペイン人の探検や入植とともに馬は北へと広がっていきました。

平原への広がり

1680年のプエブロ反乱の際、先住民がスペイン人から多くの馬を手に入れたことが大きな転機となりました。馬は部族間の交易を通じてさらに北方へ伝わり、18世紀にはグレートプレーンズ(大平原)一帯に広まりました。コマンチ族やラコタ族など、多くの平原の先住民族が馬を生活の中心とする「馬文化」を築き上げ、移動や狩猟のあり方を大きく変えました。

実は馬のふるさとは北米

興味深いことに、馬の祖先はもともと北アメリカで進化した動物です。しかし約1万年前、氷河期の終わり頃に北米大陸から姿を消してしまいました。つまり、スペイン人が持ち込んだ馬は、数千年の時を経て「故郷」へ帰還したことになるのです。

このように、アメリカ大陸の平原を駆け抜けた馬の歴史は、ヨーロッパとの接触によって始まったものの、そのルーツをたどれば北米にたどり着く、壮大な物語なのです。