古代の歴史

植民地時代のカツラ職人が使った道具一覧|伝統的なウィッグ製作の技術と道具

植民地時代のアメリカにおいて、カツラ職人(ウィグメーカー)は高度な技術を持つ専門職でした。当時の上流階級の人々にとって、整えられたカツラは社会的地位の象徴であり、職人たちは数多くの専用道具を使い分けて、一本一本丁寧にカツラを作り上げていました。

ここでは、植民地時代のカツラ職人が実際に使用していた主要な道具と、その用途について詳しくご紹介します。

カツラ製作に欠かせない主要な道具

  • 梳き櫛(すきぐし/カードコーム):細かく密に並んだ歯を持つ金属製の櫛で、毛髪の繊維をほぐしてまっすぐに整えるために使用されました。
  • ドレッシングブロック:人間の頭の形を模した木製または金属製の型です。カツラを被せながら形を整え、スタイリングを行う際の土台となりました。
  • 金鋸(かなのこ):細かい歯の付いた鋸で、カツラ用のブロックを目的の形状に切り出すのに使われました。
  • ハンドブラシ:柔らかい毛でできたブラシで、髪を滑らかに整えたりスタイリングしたりするために使用されました。
  • ハックル:木製の柄に鋭い鋼の刃を取り付けた道具で、毛髪の繊維を梳いて均一に分ける作業に不可欠でした。
  • フック付き針:先端に小さな鉤(かぎ)が付いた針で、毛髪を一本ずつカツラのキャップ(土台)に結び付けるために使われました。
  • 木槌(マレット):木製または金属製の小型のハンマーで、針をキャップに打ち込む際に使用されました。
  • ヤマアラシの棘:硬く鋭いヤマアラシの棘を利用した道具で、毛髪の繊維を分けたり梳いたりするのに活用されました。
  • カミソリ:鋭い刃を持ち、カツラ全体を刈り整えたり、細部の形を仕上げたりするために使用されました。
  • 大ばさみ(シアーズ):毛髪をカットするための鋭利なはさみです。
  • 絹(シルク):薄く滑らかな布地で、カツラの土台となるキャップの材料として使われました。
  • 紡績器(スピナー):毛髪の繊髪の繊維を糸状に撚り合わせるための装置で、加工した毛髪をカツラの材料としていました。
  • カツラキャップ:絹などの布地で作られた帽子状の土台で、カツラ全体の基礎となります。
  • カツラスタンド:製作中やスタイリング中にカツラを固定・保持しておくための台です。

仕上げや補助に使われた道具

主要な道具のほかにも、細かい作業や仕上げの段階でさまざまな補助道具が活躍しました。

  • 千枚通し(アウル):先端が鋭く尖った道具で、カツラのキャップに穴を開けるために使用されました。
  • クランプ:製作中やスタイリング中にカツラをしっかりと固定しておくための器具です。
  • カールアイロン:髪に巻き髪のウェーブをつくるための加熱式の道具です。
  • フラットアイロン:逆に、髪をまっすぐに伸ばして整えるために使われました。
  • ヘアピン:髪を所定の位置に留めておくための小道具です。
  • はさみ:毛髪をカットするための鋭い刃物で、長さの調整に使用されました。
  • 毛抜き(トゥイーザー):先端が二股になった小さな道具で、不要な毛を一本ずつ取り除くのに使われました。

まとめ

植民地時代のカツラ職人は、梳き櫛やドレッシングブロック、フック付き針といった専用道具を駆使し、すべて手作業でカツラを製作していました。電気も機械もない時代に、これらの道具と卓越した職人技によって作られたカツラは、まさに当時のクラフトマンシップの結晶といえるでしょう。