古代の歴史

1920年代の通貨は何だったのか?「ハード・ダラー」と金本位制の歴史

1920年代のアメリカにおける主要通貨

1920年代、アメリカ合衆国で主に使用されていた通貨は米ドル(USD)でした。当時のドルは「ハード・ダラー(hard dollar)」と呼ばれていました。これは、ドルが金やその他の貴金属によって価値を裏付けられていたためです。

現在主流となっているのは、金などの物理的な資産に裏付けられていない「法定通貨(フィアット通貨)」ですが、1920年代のドルはこれとは根本的に異なる仕組みを持っていました。通貨の価値が実物資産と結びついていたことで、人々はドルに対して高い信頼を寄せていたのです。

金本位制の維持とその終焉

アメリカはこの金本位制を1933年まで堅持してきました。しかし、1929年から始まった世界恐慌によって経済は深刻な危機に陥り、失業率の急上昇や銀行の連鎖倒産など、国家規模の混乱が発生しました。

この危機に対応するため、フランクリン・D・ルーズベルト大統領は経済刺激策の一環として、ドルの価値を40%以上も切り下げるという大胆な政策を実施しました。この決定により、金本位制は事実上その役割を終え、アメリカの通貨制度は大きく転換点を迎えることとなりました。

同時代の世界各国の通貨事情

なお、1920年代はアメリカだけの時代ではなく、各国も独自の通貨を流通させていました。イギリスではポンド、フランスではフランが主要通貨として機能していました。

一方、ドイツでは第一次世界大戦後の賠償問題などを背景にハイパーインフレーションが発生し、マルクの価値が文字通り紙屑同然に暴落しました。このように、1920年代は通貨の安定性が国の経済力を左右する重要な時代であり、金に裏打ちされたドルの強さが際立っていた時期でもあります。