古代の歴史

ギリシャ神話:母なる大地ガイアから生まれた3つの種族とは?

ギリシャ神話、特に古代の詩人ヘシオドスの『労働と日々』に語られる世界観では、大地の母ガイア(母なる地球)から人類は時代ごとに異なる「種族」として生み出されたと伝えられています。代表的なものが次の3つの種族です。

1. 黄金の種族(黄金時代)

最初に生まれたのは黄金の種族です。彼らはクロノスが天空を統治していた時代に生き、神々のような豊かで安楽な暮らしを送っていました。悲しみや苦役とは無縁で、老いて死ぬときも眠りにつくように穏やかだったといいます。死後は「善良な精霊」となり、地上の人間を見守る守護者となったとされます。

2. 銀の種族(銀の時代)

2番目に現れた銀の種族は、黄金の種族にはるかに及ばない存在でした。長い子供時代を過ごし、ようやく大人になっても愚かさゆえに互いに争い、神々への敬意を欠いていました。その不敬虔さのため、ついにはゼウスの手によって滅ぼされたと伝えられています。

3. 青銅の種族(青銅の時代)

3番目の青銅の種族は、青銅の武器や武具をまとった、力強く恐ろしい戦士たちでした。しかし彼らは心も青銅のように硬く、暴力的な性質を持っていたため、結局は自らの争いによって滅亡への道をたどります。

第4の種族:鉄の種族と英雄の種族

著述家によっては、これらに加えて第4の種族として「鉄の種族」を挙げることもあります。これは私たちが現在生きている時代にあたり、労苦や不正、悪が満ちあふれる最も堕落した時代とされています。また、系譜によっては、青銅の種族と鉄の種族の間に、トロイア戦争などで活躍した高貴な「英雄の種族」が位置づけられる場合もあります。

退廃のプロセスを映す神話

このように、これらの種族の物語は純粋さと卓越性から衰退と悪へと向かう退廃のプロセスを反映しています。時代が下るごとに人類の道徳性が失われていくという考え方は、古代ギリシャ人が理想化した過去と、憂慮すべき現在を対比させた独自の歴史観を象徴的に表しているのです。