古代の歴史

旧石器時代に「都市」は存在したのか?初期人類の暮らしと集落の実態

結論から言うと、現代の私たちがイメージするような「都市」は、旧石器時代(約260万年前〜約1万年前)には存在していませんでした。当時の人類は農耕も家畜の飼育も行っておらず、食料を求めて場所から場所へと移動を繰り返す狩猟採集民だったためです。

旧石器時代の人類の住まいとは

旧石器時代の人々は、洞窟や岩陰、あるいは枝・葉・獣皮などの自然素材を使った簡単な小屋に住んでいました。これらの居住地は恒久的なものではなく、周辺の食料や資源が尽きれば次の場所へ移動する、いわば「キャンプ」のような一時的な拠点でした。

基本は移動生活(遊動)

当時の人類は主に遊動生活を送っており、季節の変化や獲物の移動に合わせて住処を変えていました。狩猟や採集によってその日その日の食料を確保しており、土地を耕したり家畜を育てたりする必要がなかったため、一箇所に留まり続ける理由がなかったのです。そのため、資源が枯渇した地域の拠点は放棄され、新しい場所へと移っていきました。

そもそも「都市」とは何か?

「都市」という言葉は、通常、人口が密集し、政治・経済・宗教・文化など多様な社会的機能が集中した大規模な定居集落を指します。こうした特徴は、旧石器時代の小規模な集落には一切見られません。

歴史的に見ると、本格的な都市が世界で初めて出現したのは、農業の開始によって人々が定住できるようになった後、紀元前4000年頃のメソポタミア(現在のイラク周辺)だとされています。ウルクやウルといったシュメールの都市国家がその代表例です。

まとめ

旧石器時代の集落は、後の都市の萌芽とも言える人類最初の「生活拠点」ではありますが、都市そのものではありません。人類が定住生活を始める新石器時代の農業革命を経て、ようやく本格的な都市文明への道が開かれたのです。