メロエ語はロゼッタストーンで翻訳されたのか?
結論から言うと、メロエ語(メロイティック語)はロゼッタストーンによって解読されたわけではありません。この二つはよく混同されますが、歴史的にも言語学的にもまったく別の存在です。
ロゼッタストーンとは何か
ロゼッタストーンは、紀元前196年、プトレマイオス5世エピファネスの治世中にエジプトのメンフィスで発布された勅令を刻んだ石碑です。この石碑には、同じ内容が次の3つの異なる文字体系で記されていました。
- 古代エジプトのヒエログリフ(聖刻文字)
- デモティック(民衆文字)
- 古代ギリシャ語
同一の文章が3つの表記で併記されていたため、学者たちは読める古代ギリシャ語を手がかりに、それまで謎だったヒエログリフの解読に成功しました。つまりロゼッタストーンは、エジプトのヒエログリフ解読の決定的な鍵となった石碑ではあるものの、メロエ語の解読とは一切関係がないのです。
では、メロエ語はどのように解読されたのか?
メロエ語は、現在のスーダンに栄えたクシュ王国(メロエ王国)で使われていた言語で、独自の「メロエ文字」で記されていました。20世紀初頭、イギリスの考古学者フランシス・リウェリン・グリフィスが、エジプト語との対訳資料などを手がかりに、1909年から1911年頃にかけてメロエ文字の解読を成し遂げました。
ただし、文字の読み方が判明したからといって、すべてが分かったわけではありません。メロエ語には既知の近縁言語が存在しないため、単語の正確な意味や文法の多くは今なお謎に包まれており、解明への研究は現代も続けられています。
まとめ
- ロゼッタストーンが解読したのはエジプトのヒエログリフである
- メロエ語の解読はグリフィスらによる別の研究成果によるものである
- メロエ語は文字こそ読めても、言語としての完全な理解には至っていない