新石器時代の人々は、それまでの移動生活をやめて恒久的な村に定住し、農耕や牧畜を営むようになりました。狩猟採集による遊動的な暮らしから定住型の農業へと移行したこの時代は、人類史上の大きな転換点であり、こうした村こそが人類最初の恒久的な居住地となりました。
ここでは、新石器時代の最も古い村が見つかっている主な地域を紹介します。
1. 肥沃な三日月地帯(中東)
現在のイラクからエジプトにまたがる中東の「肥沃な三日月地帯」は、新石器文明最古の中心地の一つとされています。ヨルダン川西岸のエリコやトルコのチャタルヒュユクは、この地域を代表する新石器時代の集落として特に有名です。
2. ドナウ川流域(中央・東ヨーロッパ)
新石器時代には、中央・東ヨーロッパのドナウ川流域にも集落が広がりました。セルビアのレペンスキ・ヴィルやヴィンチャといった遺跡で知られるスタルチェヴォ文化は、この地域の新石器時代文化と深く結び付いています。
3. 黄河流域(中国)
東アジアでは、現在の中国にあたる黄河流域で新石器時代の文化が発展しました。美しい彩文土器で知られる仰韶(ぎょうしょう)文化は、この地域における初期の新石器時代集落の代表例です。
4. インダス流域(南アジア)
南アジアの新石器時代は、現在のパキスタンやインドにあたるインダス流域で始まりました。紀元前7000年頃にさかのぼるメヘルガル遺跡は、この地域で最も古く知られる新石器時代の遺跡の一つです。
5. 中南米(メソアメリカとアンデス地域)
アメリカ大陸では、メソアメリカやアンデス地域での農業の発達が新石器時代の特徴とされます。メキシコのオルメカ文明やペルーのチャビン・デ・ワンタル文化は、これらの地域における初期の定住文化の例といえるでしょう。
以上はほんの一例ですが、新石器時代の集落は世界各地で独自に発展しました。定住生活への移行と恒久的な村の出現は、人類史における重要な転換点であり、その後の社会構造や技術のさらなる発展への道を開いたのです。