「ジェームスタウンは1620年に設立された」という記述を目にすることがありますが、これはよくある誤解です。実際には、ジェームスタウンが設立されたのは1607年であり、北米におけるイギリス人による最初の恒久的な植民地として歴史に名を刻んでいます。
ジェームスタウンの設立 — 1607年の出来事
1607年5月14日、ロンドン会社(バージニア会社)が派遣した約100名の入植者たちが、現在のアメリカ合衆国バージニア州にあたるジェームズ川の河畔に上陸し、入植地を築きました。この地は当時のイングランド王ジェームズ1世にちなんで「ジェームスタウン」と名付けられました。
入植者の生活は決して楽なものではありませんでした。湿地帯に位置するため病気が流行し、現地の先住民との関係も緊張を伴いました。特に1609年から1610年にかけての冬は「飢餓の時代(The Starving Time)」と呼ばれ、入植者の大多数が命を落とすほど過酷な状況でした。それでも植民地は滅亡を免れ、ジョン・ロルフによるタバコ栽培の成功によって経済的な基盤を確立していきました。
では、1620年には何があったのか?
1620年という年がジェームスタウンと混同されやすいのには理由があります。この年、ピルグリム・ファーザーズ(清教徒移民)たちを乗せたメイフラワー号が北米に到着し、彼らは現在のマサチューセッツ州プリマスに入植地を建設したのです。これが「ピリグリム=1620年」というイメージにつながり、しばしばジェームスタウンの歴史と混ぜて語られることがあります。
つまり、1607年のジェームスタウンと1620年のプリマスは、どちらもイギリス系入植の歴史における重要な節目ですが、まったく別の出来事なのです。
ジェームスタウンの歴史的意義
ジェームスタウンは単なる最初の入植地にとどまらず、アメリカ政治の原点とも言える出来事の舞台でもありました。1619年には、北米初の代議制議会である「バージニア下院議会(House of Burgesses)」が開催されています。また、同年にはアフリカ人奴隷が初めてバージニアに連れてこられたとも記録されており、後のアメリカ社会に大きな影響を与える歴史の始まりの地でもありました。
まとめ
ジェームスタウンは1620年ではなく1607年に設立された、北米最古のイギリス人恒久植民地です。1620年といえば、メイフラワー号によるプリマス入植の年として覚えておくと、アメリカ植民地時代の歴史がより明確に整理できるでしょう。