古代の歴史

ヴァイキングが上陸した正確な場所はどこ?カナダ「ランス・オ・メドー」遺跡を徹底解説

ヴァイキングが上陸した場所はカナダ・ニューファンドランド島

ヴァイキングが北米大陸に到達した正確な場所として、現在もっとも広く認められているのが、カナダ東部のニューファンドランド島最北端に位置するランス・オ・メドー(L'Anse aux Meadows)です。ここは、北米大陸において唯一、学術的に本物と確認されたヴァイキング(ノース人)の入植地跡であり、歴史学および考古学上きわめて重要な遺跡とされています。

1960年の発見と発掘の経緯

この遺跡を発見したのは、ノルウェーの考古学者ヘルゲ・イングスタッド(Helge Ingstad)と、その妻で同じく考古学者であるアンネ・スタイン・イングスタッド(Anne Stine Ingstad)夫妻です。1960年に行われた調査で、彼らは海岸沿いに残る土盛りの遺構に着目し、その後の発掘調査によってヴァイキング時代の住居跡や工房の痕跡が次々と見つかりました。

コロンブスより約500年前の11世紀の遺跡

放射性炭素年代測定などの分析によると、ランス・オ・メドーの遺跡は11世紀にさかのぼることがわかっています。これは、クリストファー・コロンブスがアメリカ大陸へ航海した1492年よりも、およそ500年前にあたります。つまり、ヨーロッパ人が新大陸に足を踏み入れたのはコロンブスが最初ではなく、それ以前にヴァイキングがすでに到達していたことを、この遺跡が裏付けているのです。

遺跡からわかること

発掘調査では、草と土で造られた長屋(ロングハウス)の跡や、鉄を精錬した跡、木製や骨製の道具などが出土しています。これらは、北欧サガ(伝承文学)に語られる「ヴィンランド」への航海と入植の記録と一致するものであり、伝説が史実であったことを示す決定的な証拠となりました。

世界遺産としての価値

ランス・オ・メドーは、1978年にユネスコの世界文化遺産に登録されました。ヨーロッパとアメリカ大陸をつなぐ大西洋横断航路の最初の証拠であること、そしてヴァイキングの海洋進出の範囲を示す唯一無二の遺跡であることが、その登録理由とされています。

まとめると、ヴァイキングが北米に上陸した正確な場所はカナダ・ニューファンドランド島のランス・オ・メドーであり、11世紀に築かれたこの入植地は、コロンブス以前の新大陸との接触を証明する、世界でも類まれな歴史的遺産なのです。