古代の歴史

多くの奴隷を自由へ導き「モーセ」と呼ばれた女性、ハリエット・タブマンの生涯

奴隷から自由への道を切り開いた伝説的な指導者

ハリエット・タブマン(Harriet Tubman)は、1822年にアメリカ・メリーランド州で奴隷として生まれました。1849年、自ら奴隷制度からの脱出に成功した彼女は、その後「地下鉄道(アンダーグラウンド・レイルロード)」の案内人(コンダクター)として活動を始めます。地下鉄道とは、奴隷たちが自由州やカナダへ逃れるために利用した秘密のルートと安全な隠れ家のネットワークのことです。

タブマンは生涯で19回も南部へ潜入し、300人以上の奴隷を自由へと導きました。聖書に登場するモーセが民をエジプトの奴隷状態から解放したように、彼女もまた自らの同胞を束縛から解放へと導いたことから、「モーセ」という愛称で呼ばれるようになりました。

知恵と勇気で追っ手をかわす

タブマンは並外れた勇気と機転を持った指導者でした。変装を駆使し、地形に関する深い知識と地下鉄道のネットワークを活用することで、奴隷狩人や南軍の兵士による追跡を見事にかわし続けました。また、彼女は優れた弁舌家であり語り部でもあり、その才能を生かして自らが導く奴隷たちを鼓舞し、希望を与え続けたのです。

南北戦争後も闘い続けた人生

南北戦争後も、タブマンは看護師として働きながら、女性参政権運動家(サフラジェット)や公民権活動家として社会貢献を続けました。1913年、91歳でこの世を去るまで、彼女は正義のために闘い抜きました。

今日、ハリエット・タブマンはアメリカ史上最も重要な人物の一人とみなされており、その不屈の精神と遺産は、現代を生きる多くの人々にインスピレーションを与え続けています。