古代の歴史

古代ローマ人はロムルスとレムスの伝説をどう信じていたのか?

ロムルスとレムス――ローマ建国神話の核心

ロムルスとレムスは、ローマの軍神マルスの双子の息子です。伝説によれば、二人は捨てられた後、牝狼に乳を与えられて育ち、やがてローマ市を建国したとされています。しかし、都市を建設する場所をめぐって兄弟は対立しました。ロムルスはパラティーノの丘を、レムスはアウェンティーノの丘をそれぞれ主張したのです。

そこで二人は、鳥占い(卜占)によって決着をつけることに合意しました。その結果、ロムルスは12羽のハゲワシの飛来という吉兆を目にし、勝者となりました。一方、レムスが見ることができたのはわずか6羽でした。こうして神々の意志はロムルスにあると判断されたのです。

境界線を越えた弟の悲劇

ロムルスはパラティーノの丘に都市を建設し、市域の境界を示すために丘の周囲に犂(すき)で溝を掘りました。そして「この溝を越える者は、誰であろうと死刑に処する」と厳かに宣言しました。ところが、レムスはその宣言をあざけり、溝を軽々と飛び越えてしまったのです。激怒したロムルスは、ついには実の弟であるレムスを殺害してしまいました。

ローマ人が抱いた信仰と象徴

古代ローマ人にとって、ロムルスとレムスは自らの都市の創設者であると同時に、ローマ人の強さと勇気を体現する象徴でした。彼らは、神々の後押しを受けた偉大な指導者が兄ロムルスであり、勇敢で忠実な支え手こそが弟レムスであったと固く信じていたのです。この建国神話は、ローマのアイデンティティを語る上で欠かせない物語として、後世まで受け継がれていきました。