クロー族(Crow Nation、カラス族とも呼ばれる)は、現在のアメリカ合衆国モンタナ州およびワイオミング州にあたる地域に古くから暮らしてきたネイティブアメリカンの部族です。長い歴史の中で、政治、軍事、芸術、文化などさまざまな分野で多大な貢献を果たしてきた人物たちを輩出してきました。ここでは、クロー族ゆかりの有名な人物をご紹介します。
1. トーマス・イエローテイル(Thomas Yellowtail、1893年〜1990年)
クロー族の指導者として名高いトーマス・イエローテイルは、1928年から1932年まで初代クロー部族議長を務めました。クロー族の人々の権利と利益を強く擁護し、部族の文化的伝統の保存において重要な役割を果たしました。また、モンタナ州出身者として初めて米国議会に議席を持ったネイティブアメリカンとも伝えられています。
2. アルヴィン・M・ジョセフィ・ジュニア(Alvin M. Josephy Jr.、1915年〜2001年)
血縁上はクロー族の一員ではありませんでしたが、ジョセフィはクロー族の歴史と文化に関する膨大な調査と記録活動を通じて、同族と深い関わりを持つようになりました。『ネズパース族と北西部の開拓(The Nez Perce Indians and the Opening of the Northwest)』や『愛国の首長たち(The Patriot Chiefs: A Chronicle of American Indian Resistance)』など、影響力のある著書を多数執筆し、クロー族の豊かな遺産と苦難の歴史に光を当てました。
3. ジョー・メディシン・クロウ(Joe Medicine Crow、1913年〜2016年)
クロー族の歴史家、作家、そして部族の長老として知られるメディシン・クロウは、クロー族の歴史と文化に関する膨大な知識で広く尊敬を集めました。長年にわたり部族の歴史家として口承伝統の守り手を務め、『クローの大地より(From the Heart of the Crow Country: The Crow Indians' Own Stories)』や『最後の戦士(The Last Warrior: A Life of Crazy Horse)』など、数多くの著書を残しています。
4. プレンティ・クープス酋長(Chief Plenty Coups、1848年〜1932年)
尊敬されるクロー族の酋長であり、戦士、外交官でもあったプレンティ・クープスは、クロー族と近隣諸部族、そしてアメリカ政府との平和的な関係の維持に重要な役割を果たしました。クロー族にとって大きな変革の時代にあって、その知恵と指導力で知られ、力強さと文化的な回復力の象徴として今日も記憶されています。
5. ロバート・イエローテイル(Robert Yellowtail、1921年〜1993年)
勲章を受けたクロー族の退役軍人であり政治家でもあるイエローテイルは、1968年から1980年まで第2代クロー部族議長を務めました。クロー族の人々のための教育、医療、経済的機会の向上に尽力し、全米インディアン研修研究センター(National Indian Training and Research Center)の初代事務局長も務めました。
6. ジェームズ・ウェルチ(James Welch、1940年〜2003年)
高い評価を受けた作家であるウェルチは、ネイティブアメリカンの経験や視点を描いた文学作品によって名声を得ました。代表作には小説『フールズ・クロウ(Fools Crow)』や『冬の血(Winter in the Blood)』があり、いずれもクロー族の歴史、文化、そして苦闘への深い洞察を与えてくれる作品です。
7. ポーリーン・スモール(Pauline Small、1946年〜2022年)
スモールは、色鮮やかで精緻なビーズワーク、キルワーク(羽根飾りの刺繍)、リボンワークで知られる、影響力のあるクロー族の芸術家です。世代から世代へと受け継がれてきた伝統技法を作品に取り入れ、クロー族の芸術的伝統を保存し、世界に広めることに生涯を捧げました。
8. プレンティ・ベアーズ酋長(Chief Plenty Bears、1865年〜1932年)
尊敬されるクロー族の酋長兼戦士であるプレンティ・ベアーズは、1876年のグレート・スー戦争(大スー戦争)中にアメリカ陸軍を支援したクロー族の斥候(スカウト)を率いました。その勇気と戦闘における卓越した手腕で知られ、クロー族の歴史における重要な人物として記憶されています。
以上が、クロー族から生まれた有名な人物のほんの一例です。彼らはそれぞれ独自の方法で、コミュニティ、文化、そして社会全体に貢献してきました。その功績と貢献はクロー族の歴史に永続的な影響を残しており、これからも未来の世代のクロー族の人々にインスピレーションを与え続けることでしょう。