考古学的発見

チリ当局、18世紀の海賊埋蔵金を求めてロビンソン・クルーソー島の機械発掘を許可

南米チリ沖に浮かぶロビンソン・クルーソー島で、伝説の海賊の埋蔵金をめぐる本格的な探索がついに解禁された。2019年9月24日、チリ当局は、この島で20年以上にわたり宝探しを続けてきたアメリカ人実業家バーナード・カイザー氏に対し、特定区域での機械による掘削を初めて許可した。しかし、厳格な保護が施されたこの地域だけに、この決定をめぐっては賛否が交錯している。

チリ当局、18世紀の海賊埋蔵金を求めてロビンソン・クルーソー島の機械発掘を許可

ロビンソン・クルーソー島(2019年1月30日撮影)。同島はフアン・フェルナンデス諸島を構成する島の一つで、アレクサンダー・セルカーク島とともに、チリ本土から約700キロ離れた太平洋上に位置している。

保護区での初の機械掘削許可

ロビンソン・クルーソー島は、1935年には国立公園に指定され、さらに1977年にはユネスコの生物圏保存地域にも登録されている、極めて価値の高い自然保護区だ。ところが今回、国立林業公社(CONAF)は、アメリカ人の起業家兼研究者であるバーナード・カイザー氏の申請を受け、この保護区域内で初めて掘削機械の使用を認めた。

69歳となるカイザー氏が追い求めているのは、1714年に海賊たちがこの島に隠したとされる、数トンに及ぶ黄金や宝石の山だ。これまで当局は、人力による調査しか許可してこなかったが、今回の決定により、「関係機関によって十分な調査と承認が行われた縦横20メートル(400平方メートル)の区域」での機械掘削が可能となった。CONAFの声明によれば、これは例外的な措置という。

一方で、国立公園委員会は強く反発している。同委員会は、この許可が「国立公園内で腐葉土、泥炭、砂、砂利、岩石、土壌壌層を採取・搬出してはならない」という現行の禁止規定に「違反する」ものであり、その他の規定にも抵触すると指摘しているのだ。

チリ当局、18世紀の海賊埋蔵金を求めてロビンソン・クルーソー島の機械発掘を許可

ロビンソン・クルーソー島の空撮(2019年1月29日撮影)© AFP/Archives/Ana FERNANDEZ

NASA出身の実業家が支えた20年の執念

カイザー氏はNASAでも働いた経歴を持つ成功した実業家だ。1998年、島のかつての住民から受け継いだ18世紀初頭の貴重な資料をもとに調査を開始し、その後、スペインとイギリスの歴史文書と照らし合わせながら研究を進めてきた。私財を投じて続けられた四半世紀近い調査の結果、銀製のボタンや中国磁器の破片など、いくつかの遺物が発見されている。これらの出土品は、ヨーロッパの船乗りたちが南太平洋の航路上において、この孤立した島を避難所や隠れ場所として利用していたという彼の仮説を裏付けるものだ。

舞台は「イングランド人港」周辺

調査が集中しているのは、島の西部にある「ポルト・デ・ザングレ(イングランド人港)」と呼ばれる一帯だ。この島が世界的に有名になったのは文学の力によるところが大きい。18世紀初頭、スコットランド出身の船乗りアレクサンダー・セルカークがこの島に取り残され、約4年間をひとりで過ごした経験は、作家ダニエル・デフォー(1660〜1731年)の名作『ロビンソン・クルーソー』の着想源となったのである。

歴史小説の舞台となった神秘の島で、300年前の海賊の財宝は本当に眠っているのか。自然保護と歴史的探究の間で揺れるチリの決断に、世界の注目が集まっている。

チリ当局、18世紀の海賊埋蔵金を求めてロビンソン・クルーソー島の機械発掘を許可

チリ沖に位置するロビンソン・クルーソー島(2019年1月30日撮影/AFP/Archives/Ana FERNANDEZ)