2019年4月15日の夜、パリのノートルダム大聖堂を襲った火災は、身廊の木造骨組、鉛板の屋根、そして19世紀に架け替えられた尖塔を一晩で奪い去りました。あれから2年。再建に必要なオーク(ナラ)の選定がフランス全土の森で進められており、復元された大聖堂は2024年4月に落成式を迎える予定です。

「今まさに伐っているこのオークは、ノートルダムの骨組に使われる一本です」――現場の作業員はそう語ります。
オークの調達先は実に多彩です。オート=ソーヌ県から約60本、ニエーヴル県とヨンヌ県から300本、イル=ド=フランスから150本、アルザスから約50本、北部地方のモルマルの森から約100本、メーヌ=エ=ロワール県のシャンドレーの森から約20本、アンドル=エ=ロワール県のロッシュの森から30本。さらにサルト県、ウール県、アルデンヌ県、ヴィエンヌ県、ランス周辺、アキテーヌ、ブルターニュなどからも供給されます。つまり、ノートルダム・ド・パリの骨組と尖塔を再建するためのオークは、フランス全国津々浦々から集められるのです。
2019年4月15日夜から16日未明にかけての火災で、これらの木材は鉛の屋根とともに完全に失われました。尖塔の消失は翼廊交差部に大きな穴を残し、身廊では一部のヴォールト(天井)が崩落しました。それ以来、シテ島の現場では、瓦礫の撤去と仕分け(現在ほぼ完了)、木製支柱による損傷部分の補強、火災の煙で飛散した鉛粒子による汚染区域とその周辺の除染作業が続けられてきました。まもなく、本格的な修復作業が始まる予定です。
尖塔は「同一の姿」で復元される
石造りの部分については、地質鉱山研究局(BRGM)がパリ盆地の採石場を巡回し、建造物に適合する石材の産地を特定しようとしています。一方、木材に関しては状況がより進んでいます。尖塔を再建すべきかどうか、骨組をどのように作り直すかをめぐっては、専門家、歴史家、建築家、そして一般の愛好家たちの間で長らく議論が交わされてきました。しかし2020年7月、文化遺産・建築国民委員会の会合を受け、大聖堂修復を担当する公的機関が方針を決定しました。骨組はオーク材で再建され、その上には元と同じ姿の尖塔が据えられることになったのです。
調達される木材には厳格な仕様が課されています。求められるのは、丈夫で真っ直ぐ、節がなく、「霜割れ」(凍結作用による木の欠陥)のない木々です。民有林からの搬入分は直径50〜90cm、丸太の状態で長さ5〜14m。国有林からは最も背の高い15〜21mの木々が提供されます。中でも最大級で最も古い個体――サルト県のベルセの森から伐り出された樹齢200年のものも含まれます――は、尖塔に使われることになっています。
骨組の組み立ては2023年に開始
国有林管理局(ONF)は325本のオークの提供を約束していますが、プロジェクト全体に必要なのは合計約1,300本。そこで、民有林を含むフランス中の森を巡る、まさに「木の大巡礼」とも呼べる取り組みが展開されました。共通の目的のもとに人々を団結させる、コミュニケーション上の効果も期待できるイニシアチブです。
いずれにせよ、伐採は春の樹液上昇前に完了しなければなりませんでした。こうして2021年3月、各地で伐採が実際に始まりました。ブルターニュのパンポンの森からは8本、ヴィエンヌ県のヴイエ=サンティレールの森からは3本、オート=ヴィエンヌ県のヴィック=シュル=ブルイユの森からは樹齢100年の巨木2本が切り出されています。人口300人のオート=ソーヌ県ファイモン村や、人口4,000人のジュラ県ポリニー村のように、村として1本のオークを提供できたことを誇りに思う自治体もあります。
具体的な調達を担うのは、木材関連事業者の業界団体「全国木材連盟」です。同連盟は「フランス・ボワ・ノートルダム」という専任組織を設立し、無償で提供される木々を選定・集積したうえで、各地の製材所へ振り分けています。製材を終えた梁材は1年〜1年半ほど休ませて乾燥させます。そして2023年初頭、骨組の組み立てが始まる予定です。公式スケジュールによれば、ノートルダム・ド・パリは2024年4月16日、テ・デウム(感謝のミサ)とともに落成式を迎えるはずです。

