考古学的発見

ニューリーの地名の由来|「イチイの川」が語る北アイルランドの歴史

ニューリー(Newry、アイルランド語では An Iúraí)は、北アイルランドのダウン県に位置する町です。アイルランド共和国との国境にほど近く、歴史的にも地理的にも重要な拠点として栄えてきました。

地名の由来は「イチイの川」

ニューリーのアイルランド語名 An Iúraí は、「イチイの川(The Yew River)」を意味する An Iúraigh に由来するとされています。つまり、この町の名前そのものが、かつて流れていた川と、そこに生えていた木々の姿を今に伝えているのです。

神話と儀式に結びついた木、イチイ

さらに興味深いのは、この名前の語源にあると考えられる言葉です。一説には、中世アイルランド語の iúr(イチイ)と、古アイルランド語の動詞 fothraim(「洗う」「浴びる」の意)が組み合わさって生まれたと言われています。

イチイは、ケルト文化においてドルイドたちが崇拝した聖なる木でした。長寿の象徴とされ、アイルランド神話の中でも特別な存在として儀式や信仰の場で用いられてきました。「川で身を清める」という行為と聖なるイチイが結びついたニューリーの地名は、古代アイルランド人の精神世界を垣間見せる興味深い例といえるでしょう。