「神は癒される」を意味するラファエルは、癒しの大天使として知られる名前です。聖書では、旅の途中で青年トビアスに同行し、盲目となった彼の父を癒した逸話が語られています。ガブリエルほどの爆発的な人気こそないものの、1970年代頃から出生届に静かにその名を見せ始め、21世紀に入ると最も選ばれる名前の上位に定着しました。記念日は9月29日です。
ラファエルの起源と語源
ラファエルはヘブライ語起源の名前で、「神は癒す」を意味します。「癒す」を表す「ラファ(rapha-)」と、神を表す「エル(-el)」という二つの要素から成り立っています。ラファエルは神の恵みを人々へ仲介する天使であり、人間の姿で若きトビアスの旅路を導き、老いた父の視力を取り戻させる薬をもたらし、さらにトビアスの婚約者サラを悪魔から解放しました。この保護者・導き手としての役割から、16世紀に信仰が広まった守護天使と同一視されるようになりました。また薬剤師の守護聖人でもあり、9月29日にはミカエルやガブリエルとともに祝われます。宗教画では、しばしばこの二人と共に描かれています。
ラファエルの使用状況と人気の推移
ミカエルやガブリエルとは異なり、ラファエルは1960年代まで比較的目立たない存在でした。しかしその後、選ばれる機会が大きく増え、今世紀初頭には男子名トップ50に入る人気を獲得しました。この流れに乗って、スペイン語圏の「ラファエル(Rafael)」も広まりました。その他の異形や女性版については、ごく一部にとどまっています。
イタリアの画家ラファエッロ(ラファエロ・サンツィオ、1482〜1520年)はルネサンスを代表する芸術家で、ミケランジェロやレオナルド・ダ・ヴィンチの影響を受けました。古典的な均衡を重んじ、精緻な線と繊細な色彩が調和した作風が特徴です。『小鳥の聖母』(1506年)や『椅子の聖母』(1515年)などの聖母子像で特に有名なほか、『オスティアの戦い』といった歴史画も手がけました。教皇ユリウス2世とレオ10世の公式画家として、バチカン内の複数の部屋を装飾しています。盛期ルネサンスを完成させた巨匠として、後のマニエリスム、古典主義、アカデミズムの規範となりました。
より身近なところでは、フランスの歌手ラファエルや、スペインのテニス選手ラファエル・ナダルなどが挙げられます。
さらに詳しく知るには
Omer Englebert著『2000のファーストネームとその歴史』Albin Michel、2015年
『私の名前の本 ― ラファエル』First、2017年