ベルリンの街は、19世紀から20世紀前半にかけて急速な拡大を遂げました。そのため、郊外に新たに形成された街区では、増え続ける人口の需要に応えるべく、あらゆる公共サービスの整備が求められることになりました。

市の南部、テンペルホーフ空港に近いマリーエンドルフ地区では、20世紀初頭に教会の建設計画が持ち上がりました。しかしながら、計画が本格的に動き出したのは1929年になってからのことです。
実際の着工はさらに遅れ、1933年となりました。これは、当時のナチス政権が国内の深刻な失業問題を解消するために推進した大規模公共事業の一環として建設が開始されたためです。教会の完成までには2年の歳月を要しました。

この教会はナチス政権期に建設されたため、当時の新体制を象徴する意匠が建物の随所に施されています。マルティン・ルター自身が抱いていた過激な反ユダヤ主義思想がナチスのイデオロギーと親和性を持っていたこともあり、両者の結びつきが建築全体に色濃く反映されているのです。

壁面には、キリスト教のシンボルとゲルマン古来の異教的シンボルをあしらったタイルが数多く飾られています。その中には、足元にハーケンクロイツを配したナチスの鷲の紋章も見られます。さらに説教壇には、マルティン・ルターを取り囲む複数の人物像が描かれており、兵士、突撃隊(SA)の隊員、そしてヒトラー・ユーゲントの少年の姿も含まれています。

最後に挙げるべき注目点が、現在も堂々と佇む壮麗なパイプオルガンです。この楽器は現在設置されている場所のために特別に設計・製造されたものでしたが、1934年から1942年にかけてはニュルンベルクのルイトポルトハレに移設されていました。同ホールは、党大会の期間中にナチス党の大規模集会が開催された歴史的な会場です。

マルティン・ルター記念教会へのアクセス
教会はベルリン市南部のマリーエンドルフ地区に位置しています。アクセスするには、地下鉄(Uバーン)6号線でヴェストファールヴェク(Westphalweg)駅へ向かいましょう。最寄り駅からの最短ルートは、以下のリンクからご確認いただけます。
マルティン・ルター記念教会の見学
マルティン・ルター記念教会の内部を見学するには、事前に教区事務所への予約が必要です。連絡先などの詳細情報は、以下のリンクからご確認ください。