エジプトのオベリスクとは
オベリスクは、古代エジプトで生まれた四角錐状の先端を持つ細長い石柱です。太陽神ラーへの信仰に基づいて建てられ、先端部(ピラミディオン)には金や電気石が貼られ、朝日を反射して輝いたと伝えられています。多くはアスワン産の赤花崗岩を用い、一本の石から彫り上げられた「モノリス(単一巨石)」である点が最大の特徴です。
エジプト国内の主なオベリスク
カルナック神殿(ルクソール)
世界最大級の宗教複合施設であるカルナック神殿には、ハトシェプスト女王が建てた高さ約29メートルのオベリスクが現存しています。これは現在エジプト国内に立つオベリスクとして最も高いものです。隣にはトトメス1世による高さ約21.7メートルのオベリスクもそびえています。
ルクソール神殿(ルクソール)
ラムセス2世が建てた高さ約25メートルのオベリスクが塔門の前に立っています。かつては対になるもう1基がありましたが、1836年にフランスへ運ばれ、現在はパリのコンコルド広場にあります。
ヘリオポリス(カイロ近郊)
古代の太陽信仰の中心地だったヘリオポリスには、センウセルト1世による高さ約20メートルのオベリスクが残ります。またカイロ市内のゲジーラ島には、19世紀に移設されたオベリスクが見られます。
フィラエ神殿(アスワン)
女神イシスを祀るフィラエ神殿には、プトレマイオス朝時代の小ぶりのオベリスクが残されており、美しい浮き彫りとともに楽しむことができます。
アスワンの未完成オベリスク
アスワンの北採石場には、完成していれば全長約42メートル・重量約1,200トンに達し、史上最大となるはずだった「未完成オベリスク」が今も横たわっています。採石中に岩に亀裂が入ったため放棄されたと考えられており、製作工程を知る貴重な資料として人気の観光スポットとなっています。
海外へ渡ったオベリスク
19世紀以降、多くのオベリスクが各国へ贈られました。ローマには13基以上が移設され、そのほかロンドン(クレオパトラの針)、ニューヨーク(セントラルパーク)、イスタンブール、パリなどでも見ることができます。実は、エジプト国外に現存するオベリスクの数の方が国内より多いという興味深い事実もあります。
まとめ
エジプトのオベリスクは、古代の卓越した技術力と太陽信仰を今に伝える貴重な遺産です。ルクソールとアスワンを巡る旅では、神殿にそびえる姿と採石場に横たわる姿の両方を目にすることができ、数千年前的な人々の驚異的な技術に直接触れることができます。