第二次世界大戦の終結からおよそ70年。にもかかわらず、1940年から45年の時代への関心は今もかつてなく高い。これは歴史学者エリック・ソメルス(Erik Somers)氏の博士論文研究で明らかになった事実だ。戦争博物館の数は増え続け、来館者も右肩上がりに伸びている。しかし一方で、新しい世代に向き合うために、戦争博物館には自らの在り方を再定義することが求められている。
オランダ戦争文書研究所(NIOD)に所属する歴史学者のソメルス氏は、オランダ国内に実に83もの戦争博物館が存在することを突き止めた。すべてがオランダ博物館協会の厳格な基準を満たしているわけではないが、いずれも「戦争博物館」を掲げて活動する文化遺産機関である。そしてその経営状態は好調だ。2012年には合計118万8,000人が来館した。最多人気を誇るアムステルダムの「アンネ・フランクの家」についてはオランダ人来館者のみを計上しており、外国人観光客を含めればこの数字は倍になるとみられる。
オランダの戦争博物館への来館者数は増加の一途をたどっている。象徴的な10館の統計をもとに、ソメルス氏は戦争への関心が大きく高まったと結論づけた。1996年から2013年の間に来館者数はほぼ倍増している。興味深いことに、戦争博物館の実に4割が2000年以降に開館したものだ。戦争を体験した世代は確かに消えつつあるが、その記憶はむしろかつてないほど鮮明に受け継がれている。
ただしソメルス氏は、こうしたオランダの戦争博物館には新たな方向性を模索する必要があると指摘する。戦争を直接経験した世代が姿を消しつつある今、かつてのような自然な来館者とのつながりは期待できなくなっている。新しい世代には戦争との直接的な縁がなく、戦争の記憶はこれまでとは異なる、間接的な方法で伝えられていくことになるだろう。
鍵を握る「体験」と「経験」
ソメルス氏は、フリースラント州レーワルデンにあるフリースラント抵抗博物館(Fries Verzetsmuseum)の依頼で博士研究を行った。同館は、戦争の物語をいかに魅力的な形で未来の世代へ伝えられるかという科学的な調査に基づいて、新しい博物館を整備したいと考えていたのだ。同館はこの研究成果を反映させ、2013年秋に新しい常設展示を公開した。
今日の戦争博物館に求められるのは、歴史的資料の収蔵や追悼の場といった役割にとどまらない。新しい世代の戦争への関心を深めるため、1990年代後半以降、多くの博物館では個人の物語=パーソナルストーリーに重点が置かれるようになった。遠い昔の「実際の歴史」を、来館者の身近に引き寄せる試みである。
しかし現在の戦争博物館の実践で最も重視されているのは、「本物らしさの体験」だ。「体験と経験」が合言葉となっている。過去はますます遠ざかり、目撃者が当時の様子を直接語る機会も失われつつある。そこで近年では、実物や個人の証言に触れる体験に加えて、過去の視覚化や再構成がますます取り入れられるようになっている。来館者には、過去へ吸い込まれていくような感覚を味わってもらう。それは現代の先端技術によって十分可能なことだ。
だが、どんなに精巧な再現であっても、それはあくまで演出にすぎないとソメルス氏は警鐘を鳴らす。博物館は常に取捨選択を迫られる。「過去の体験」は、必ずしも過去への知識や理解の深化につながるとは限らないからだ。さらに同氏は、博物館がレジャー活動の一部になりつつあるとも分析している。戦争の歴史に関する情報提供や理解の促進に加えて、博物館はくつろぎと楽しみの場でもあるべきだ。しかしどこまで踏み込んでよいのか。現在の博物館の実践においては、「責任ある教育と情報提供」と「スリルと刺激」の間の危ういバランスが問われているのである。
1940年から45年の時代が若い世代の想像力をかき立てることは明らかであり、ソメルス氏によれば、当面この傾向は続くだろうという。戦争の記憶のされ方は絶えず変化している。それでも「二度と繰り返さない」という戦争の記憶は、道徳的な拠り所であり続ける。たとえそれが、戦争を直接経験していない世代の手によって、同じく未経験の世代へ向けて、博物館を通じて伝えられることになろうとも。