映画『クレオパトラ』で凝ったエジプト風メイクを披露したエリザベス・テイラー
現代をも驚かせる、古代エジプトの化粧文化
古代エジプトの女性(そして男性)が施していた精緻なメイクに、魅了されずにはいられません。考古学上の発見からは、鮮やかで明るい色彩がふんだんに使われていたことがわかっており、その美しさは、現代の一流化粧品メーカーさえもうらやむほどです。
本記事では、エジプト文明における化粧の材料、手法、そして流行について、基本となる情報をご紹介します。
映画『クレオパトラ』に出演したエリザベス・テイラー
壁画が雄弁に語る、数千年前的な美容の姿
エジプトの化粧を研究するのは、それほど難しいことではありません。数多く残された絵画資料が、実に雄弁に当時の様子を伝えてくれるからです。数千年前の人々が美と身体の手入れにいかに敏感で、どれほど心を配っていたか。当時流行していたアイメイクや髪型までもが、はっきりと読み取れます。
男性も女性も、顔を彩るために化粧品を幅広く使用していました。時代とともに変化した側面もあるものの、エジプト人のメイクには、鮮やかな色彩の使用、くっきりと描かれたアイライン、完璧に整えた肌といった独自の特徴が、一貫して受け継がれていたのです。
マラカイトと方鉛鉱――最古の化粧材料
最も古い時代には、主としてマラカイト(孔雀石)と呼ばれる、鮮烈な緑色をした炭酸銅の鉱物と、方鉛鉱と呼ばれる、濃く暗い色を生み出す硫化鉛が化粧に用いられていました。これらの基本素材は水・樹脂・油脂と混ぜ合わせられ、木製のスティックを使って目元に塗られました。こうした美しい化粧用具の数々は、もちろんカイロのエジプト博物館だけでなく、トリノのエジプト博物館でも見ることができます。
メイクのポイントは、まぶたをかなりはっきりと縁取りし、その線を目尻へ向かって伸ばすことにありました。
中王国時代の流行と、口紅の誕生
やや後の時代、中王国時代の始まり頃になると、黒い煤(ビストル)を使ったメイクが流行しました。こちらも方鉛鉱を使用して施されるものでした(方鉛鉱は、マラカイトと同じく毒性を持つ物質です)。
さらに、この洗練されたメイクを完成させたのが紅土(赤土)でした。粉末状にして頬に刷けば、健康的で美しい赤みのある血色を演出できます。また、油・脂肪分・樹脂と混ぜ合わせれば、唇のための口紅へと変わったのです。
(記事出典:www.notizie.it)