歴史物語

歯ブラシはいつ発明された?口腔衛生の歴史をたどる

歯ブラシはいつ発明された?口腔衛生の歴史をたどる

歯ブラシが変えた口腔衛生の歴史

歯ブラシは、世界の口腔衛生の歴史に革命をもたらした道具です。実は、口の清潔を保つことは古代から人類にとって欠かせない習慣でした。では、歯ブラシはいつ発明されたのでしょうか?

発祥は9世紀の中国

この日常に不可欠な道具の祖先は、遠く9世紀の中国で初めて登場したとされています。もっとも、当時の歯ブラシは現在のものとは大きく異なっていました。竹の棒や動物の骨の先端に、豚の毛を固定しただけの、ごく原始的な構造だったのです。

シンプルな発明が成功した理由

一見シンプルで平凡にさえ見えるこの発明が広く受け入れられたのは、ブラシによる機械的な摩擦作用こそが、歯と口の中を徹底的かつ深く清掃するために不可欠だとすぐに認識されたからです。それまで人々が歯磨きに用いていたのは、ハーブを調合したものなど天然素材由来の製品でした。中には、現代の感覚では奇抜すぎると言えるものもありました。例えば古代ローマでは、なんとネズミの脳みそを歯磨きに使ったという記録も残っています。

ヨーロッパへの伝播と近代化

その後、歯ブラシは17世紀頃にヨーロッパへと伝わりました。1780年にはイギリスのウィリアム・アディスが、骨の柄に毛を植え込んだ歯ブラシの量産に成功し、1938年にはアメリカのデュポン社がナイロン製の毛を使った世界初の合成繊維歯ブラシを発売します。こうして歯ブラシは、世界中の人々の手に届く身近な道具へと進化を遂げていきました。