歴史物語

モナ・リザはなぜフランスにあるのか――「略奪品」という誤解の真相

モナ・リザはなぜフランスにあるのか――「略奪品」という誤解の真相

レオナルド・ダ・ヴィンチの傑作《モナ・リザ》(別名:ラ・ジョコンダ)。

モナ・リザはイタリアから「盗まれた」のか?

レオナルドの《モナ・リザ》はイタリアから奪われたものだと確信している人は少なくない。しかし実際には、この作品は正当な経緯をたどってフランスに渡ったものである。

この誤解が生まれる背景には、ナポレオン軍がイタリア(およびその他の国々)から数多くの美術品を略奪し、それらがウィーン会議(1815年)の後に一部しか返還されなかったという歴史的事実がある。

しかし、《モナ・リザ》に関しては事情がまったく異なる(関連記事:モナ・リザのDNA鑑定)。

レオナルド自身が持ち込んだ肖像画

実は、アルプスの向こう側、フランスの地へ《モナ・リザ》の肖像画を携えて渡ったのは、ほかならぬレオナルド本人だった。そして本作は、フランス王フランソワ1世によって王室コレクションとして買い上げられたのである。

その購入金額は当時としては破格のもので、なんと金貨4,000クラウン。これは作者であるレオナルドの約2年分の報酬に相当する、驚くべき額だった。

一方、返還されなかったダ・ヴィンチの手稿

とはいえ、ナポレオン兵によってイタリアから持ち去られたレオナルドの自筆手稿、いわゆる「フランス学士院蔵コデックス」は、今日にいたるまで一度も返還されていない。
(写真提供:ilgiornale.it)