アメリカの素朴派(プリミティブ・アート)を代表する画家として知られる「モーゼスおばあちゃん」ことアンナ・メアリー・ロバートソン・モーゼスは、実は正式な美術教育を一切受けていませんでした。それにもかかわらず、後世に残る名作を数多く生み出した彼女の歩みは、多くの人々を勇気づけています。
76歳から本格的に絵画を開始
彼女が本格的に絵を描き始めたのは、なんと76歳になってからでした。高齢からのスタートながら、その才能は見事に開花し、やがて全米にその名を知られる存在へと成長していきます。「遅すぎる」ということはないのだということを、自らの人生で証明したのです。
身近な材料を使った独学の創作
最初期の作品では、キャンバスの代わりに段ボールや木材の切れ端を使用し、絵の具も市販の家庭用ペンキを活用していました。専用の画材が手に入らない環境の中でも、身近にある材料を工夫しながら創作を続けた点が、彼女らしいエピソードとしてよく語られています。
独学だからこそ生まれた温かみのある作風
アカデミックな訓練を受けていなかったことは、かえって自由で飾らない独特の作風につながりました。田園風景や農村の暮らしを描いた作品は、素朴でありながら深い魅力と温かみを持ち、幅広い層の人々の心をつかんだと評価されています。
モーゼスおばあちゃんの歩みは、「年齢や環境は挑戦の障壁にはならない」ということを教えてくれる好例といえるでしょう。