トロイ戦争は、紀元前13世紀頃、小アジア(現在のトルコ北西部)の都市トロイアをめぐって繰り広げられたとされる伝説的な戦争です。ホメロスの叙事詩『イリアス』には、ギリシャ本土や島々から集結した「アカイア人」と呼ばれる連合軍と、トロイア王プリアモスおよびその同盟諸国との壮絶な戦いが描かれています。
ここでは、『イリアス』などの記述に基づき、両陣営に参加した主要な部族・勢力とその指導者を紹介します。
ギリシャ側(アカイア連合軍)
ギリシャ軍は、ミケーネ王アガメムノンを総司令とし、各地の王や英雄たちがそれぞれの軍勢を率いて参戦しました。
- アカイア人: ギリシャ軍の中核をなす主力。総司令アガメムノンが率いました。
- ミュルミドン人: 最大の英雄アキレウスが率いる、プティア出身の精鋭部隊。
- ピュロス人: 年長の賢将ネストルが率いる、ピュロスの軍勢。
- スパルタ(ラケダイモン)人: ヘレネの夫メネラオス王が率いる軍勢。
- ボイオティア人: ペネレオスらが率いた、中部ギリシャの大規模な軍勢。
- ロクリス人: 「小アイアス」と呼ばれるオイレウスの子アイアスが率いる軍勢。
- フォキス人: スケディオスが率いる軍勢。
- アイトリス(エトリア)人: トアスが率いる軍勢。
- エペイオス人: ディオメデスが率いる、西方エリス地方の軍勢。
- クレタ人: イドメネオスが率いる、クレタ島からの遠征軍。
- ロドス人: ヘラクレスの子テーレポレモスが率いる、ロドス島の軍勢。
- アルゴス人: 英雄ディオメデスが率いる、アルゴスの軍勢。
- コリントス人: アガメムノン自身が率いたとされる軍勢。
- アルカディア人: アガペノールが率いる、山岳地帯アルカディアの軍勢。
- メッセニア人: ネストルが率いる軍勢。
トロイア側とその同盟軍
トロイア側もまた、小アジア各地やトラキア方面から多くの同盟国の援軍を得て戦いました。
- トロイア人: 老王プリアモスの下、長子ヘクトルが実質的に指揮した主力軍。
- ダルダノス人: トロイア人と近縁の民族。後のローマ建国の祖となる英雄アイネイアースが率いました。
- リュキア人: ゼウスの子サルペドンが率いる、屈強な同盟軍。
- カリア人: フォルキュスが率いる軍勢。
- パイオニア人: ピュライクメスが率いる、アクシオス川流域の軍勢。
- トラキア人: レソス王が率いる騎馬の民。神々しい白馬の持ち主として知られます。
- ミュシア人: クロミスが率いる軍勢。
- フリュギア人: アスカニオスが率いる軍勢。
- マイオニア人: メストレスが率いる軍勢。
- ハリゾネス: オディオスが率いる軍勢。
- アリゾネス: アルテスが率いる軍勢。
- ペラスゴイ人: ヒッポトオスが率いる、古い起源を持つ民族。
- キコネス人: エウペモスが率いる、トラキア沿岸の民族。
まとめ
トロイ戦争は、単なる二つの都市の争いではなく、エーゲ海を挟んだ広大な地域の勢力が巻き込まれた大規模な戦争として描かれています。伝説によれば、戦争は10年間に及び、最終的にギリシャ軍は「トロイアの木馬」の計略によって堅固な城壁の街を陥落させたと伝えられています。