中国人移民はエリス島を経由しなかった
アメリカの移民史というと、ニューヨーク港のエリス島(Ellis Island)が象徴的に語られることが多いですが、実は中国人移民はここを通っていません。エリス島は主に東海岸から入国する欧州系移民の受け入れ拠点だったためです。
西海岸の「もう一つのエリス島」
中国人移民をはじめとするアジアからの入国者は、サンフランシスコ湾内のエンジェル島(Angel Island)にある移民局(エンジェル・アイランド移民ステーション)で審査を受けました。同施設は1910年から1940年にかけて運営され、「西洋のエリス島」とも呼ばれています。
厳しい収容環境と長期滞留
エリス島での手続きが比較的短時間で済むことが多かったのに対し、エンジェル島では中国系移民への取り調べが特に厳しく、数週間から数か月、場合によってはそれ以上の長期間にわたり島に収容されるケースも少なくありませんでした。これは当時の中国人排斥法(Chinese Exclusion Act)などの排外的な政策が背景にあったためです。
まとめ
つまり、中国人移民はエリス島ではなく、サンフランシスコ湾のエンジェル島移民局で入国審査を受けていたのです。エリス島とエンジェル島は、それぞれ東海岸と西海岸における移民の歴史を今に伝える重要な場所といえます。