オセアニアの歴史

マカベウスはいつ『荒廃をもたらす憎むべきもの』を破壊したのか?

マカベウスは『荒廃をもたらす憎むべきもの』を破壊したのか?

結論からお伝えすると、マカベウス(紀元前2世紀にセレウコス朝に対抗して戦ったユダヤの指導者たち)が、聖書にいう『荒廃をもたらす憎むべきもの』を破壊したという事実はありません。

聖書において『荒廃をもたらす憎むべきもの』は、将来に起こるべき出来事として預言されており、いまだ実現していないと解釈されています。そのため、過去に生きたマカベウスがこれを破壊することはなかったのです。

『荒廃をもたらす憎むべきもの』とは何か

この表現は、旧約聖書ダニエル書(9章27節、11章31節、12章11節)に登場する預言用語です。神殿という聖なる場所に、神に敵対する存在や偶像が据えられ、正しい礼拝が妨げられるという冒瀆的な行為を指します。

新約聖書では、イエス・キリストご自身がオリーブ山での説教の中でこの言葉に触れています(マタイによる福音書24章15節)。イエスはこの出来事をまだ到来していない未来の出来事として語られたため、多くの解釈者はこれを終末に関わる重要な予兆として捉えています。

マカベウスと神殿の歴史的背景

歴史上、紀元前167年頃、セレウコス朝の王アンティオコス4世エピファネスがエルサレム神殿を冒瀆し、異教の祭壇を築いたことがありました。これを『荒廃をもたらす憎むべきもの』の原型、あるいは部分的な前兆と見なす見方もあります。

その後、マカベアの反乱を率いたユダス・マカベウスは紀元前164年に神殿を奪還し、これを清めて再び神に奉献しました。この出来事は、今日ユダヤ教の「ハヌカー(光の祭り)」として祝われる起源となっています。

しかし、これはあくまで歴史上の神殿の回復と清めであり、ダニエル書やイエスの言葉が指す最終的な『荒廃をもたらす憎むべきもの』そのものを破壊したわけではありません。

まとめ

マカベウスが『荒廃をもたらす憎むべきもの』を破壊した特定の時期は存在しません。聖書の預言によれば、この出来事は将来に起こるものであり、いまだ実現していないためです。マカベウスが果たしたのは、冒瀆された神殿の回復と清めであって、預言された終末的出来事の破壊ではなかったのです。