アメリカ合衆国南部を指す「ディクシー(Dixie)」という名称は、19世紀初頭に誕生したと考えられています。その起源は、ニューオーリンズのルイジアナ市民銀行(Citizens' Bank of Louisiana)が発行した10ドル紙幣にあると言われています。
10ドル紙幣とフランス語の「Dix」
この紙幣の片面にはアフリカ系アメリカ人の男性が描かれ、もう片面にはローマ数字の「X(10を表す)」があしらわれていました。当時のニューオーリンズでは、フランス語で「10」を意味する俗語「ディックス(dix)」が市民の間で広く使われており、人々はこの10ドル紙幣を親しみを込めて「ディクシー」と呼ぶようになったのです。
南部全体を象徴する言葉へ
時代が下るにつれて、「ディクシー」という呼び名はニューオーリンズにとどまらず、アメリカ南部全般を指す言葉として定着していきました。特に、南北戦争時に合衆国から離脱し、南部連合(アメリカ連合国)を形成した諸州と強く結び付けられるようになり、今日でも南部文化を表す象徴的な名称として知られています。