南アメリカの歴史

ジョージ3世は「勝利後にアメリカ人へ自由を与えた」のか?──よくある誤解とパリ条約(1783年)の真実

「イギリス王ジョージ3世が、戦争に勝利した後にアメリカ人へ自由を与えることに同意した」という説明を目にすることがありますが、これは誤解です。歴史的事実とは異なる前提に基づいた内容なので、正しい経緯を整理しておきましょう。

そもそもジョージ3世は勝利していない

まず大前提として、アメリカ独立戦争(1775年〜1783年)において、イギリスは勝利していません。1781年のヨークタウン包囲戦で、チャールズ・コーンウォリス将軍率いるイギリス軍がアメリカ・フランス連合軍に降伏し、戦争は事実上の決着を迎えました。つまり、「勝利の見返りとして自由を与える」という状況そのものが存在しないのです。

戦争の終結を定めたパリ条約(1783年)

アメリカ独立戦争は、1783年9月3日に調印されたパリ条約によって正式に終結しました。この条約において、イギリスはアメリカ合衆国の独立を正式に承認しています。

アメリカ側の交渉団にはベンジャミン・フランクリン、ジョン・アダムズ、ジョン・ジェイらが名を連ね、イギリス側はデヴィッド・ハートリーが署名しました。条約では、独立の承認に加えて、国境線の確定や漁業権などについても取り決められました。

まとめ

ジョージ3世が「勝利の恩恵として」アメリカに自由を与えたわけではありません。イギリスは戦争に敗北し、パリ条約(1783年)によってアメリカ合衆国の独立を認めざるを得なくなった──これが正しい歴史的経緯です。